校則を考える

校則を考える

珍しく著名な憲法学者、木村草太さんの動画を取り上げてみました。どっちかいうとリベラル寄りの人だよね。ツイッターで木村さんをフォローするとお勧めに「望月衣塑子、前川喜平、山口二郎」が出てきました(笑)、ツイッターがそう言ってるもんで。

39:54からが本題のPTAや校則の話です。

ダースレイダー x 木村草太 “新学期前にPTAと校則を考える”

ちょっと事前情報として入れておくと、個人的にやっぱり校則や学校って常に疑念と反発心を持って見る存在なんですね、個人的に。それで校則や学校というものを「権威」として扱ってみると、そこに対する疑問や、生徒の権利やら、非常にティーンエージャー的なマインドが渦巻いてくるんですよ。NIRVANAの「smells like teen spirts」やらブルーハーツやらがBGMとして流れ始めます。でも年齢を経てみると、では今後の学校のあり方って何がベストなんだろう?とか、やはり学校を規定している「教育基本法」「学校教育法」との関連は?実際に学校で起こっている問題である「校則」「いじめ」などと本来の学校の使命である教育との温度差は、どこから来る?とか考えますね。

まずPTAってどうなんだろう?

うちの親は弟の代には結構参加していたみたいで、先生やPTAの役員との飲み会の話しか聞かなかったな。
多分昭和ー平成の時代には、そんな感じで楽しくやりましょう、何となく地域の親御さんと学校の接点ってことで良かったんだろうね。任意加入団体とか、まんじゅう問題とかは起こらなかったんだろう。

特に義務教育であり、公立学校の先生は地方公務員であり、憲法や公務員としての義務に縛られる教員は、元来「法律に書いてないことは出来ない」公務員であり、この範疇からは、その立場から逃れることが出来ない。

https://hoikushi-taisaku.com/kyouiku-kihon-ou-gakkou-kyouiku/#toc1

ここに詳しく書いてあるが、「教育基本法」は理念的な話、「学校教育法」は詳細が主に書いてある。

ざっくりこの動画の論点をまとめると(素人意見で申し訳ないが)、

1.学校という社会の中だけ、一般の社会と違う倫理やルールは通用しない

イジメやその隠蔽問題の多くは、一般の社会と違う扱いを「生徒」に適用しようとすることに起因している様に思われる。一般社会であれば、強要罪、窃盗罪、傷害罪が適用される事件に、「生徒だから」「未来があるから」などというエクスキューズで、まず第一に守られる。第二に法的に未成年であることで保護され、触法少年として家庭裁判所などで審議され、更生の可能性があることで罪に問われる可能性が低くなる。

少年法で、その少年が守られるとしても、人を傷つければ傷害罪であり、脅せばそれは脅迫罪、強要罪になる。そういった犯罪事案を学校という閉じられた小世界で、余りに守っている感がある。それはそういった事案が教員の評価につながるからという問題もある。

外の世界である一般社会と同じ条件で、学校を運営するということは非常に大事な観点であると思う。

2.学校の自治という問題

学問の自由に起因する。学校の自治が大学以外の、高校や中学校にも及ぶのか?という問題もある。学問の自由は研究者である教授や大学の講師などに与えられたもので、高校や中学は主に一定程度の質の教育を生徒に与える場であると考えられるから、学校の自治とか、大学にある自治権というものからは少し距離があると考えられる。

また学校という組織と、その地方の司法権の一部である警察がお互いに、その持ち場を侵さないようにしているのではないだろうか?これはありそうな話で、お互いにその地域に根付いている地方公務員や、私学の場合でも地域の教育の場である訳で、そのテリトリーを侵さないように配慮するということも実際ありそうだ。

結論

この動画の流れを聞いていて、感じるのは私企業で起こりそうな事例と非常に似ていると感じる。生徒に自主的に退学する様にしたり、別室授業なんかは「追い出し部屋」と同じことだし、そういった意味では実社会と学校の垣根がなくなっているのも、現実なのかもしれない。

それは多分良い流れで、少年法で保護された範囲で子供は守られるが、それ例外の漫然とした雰囲気では守られない。高校は、誓約書を書かせるべきだし、受験や入学の時期も校則や、その学校の校風を理解し決める段階も考慮されるべきだろう。

高校はあくまでも個人が契約して、その学校に行く。その契約は親がサポートして、未成年である生徒を守るべきなのは変わらない。中学校であれば、社会の一部であり、生徒は少年法で守られているが、それ以上は守られない。中学校は一般社会から切り離された小世界ではなく、実社会の一部であるという状況を、実際の学校の体制でも実現するべきだろう。

纏めるとあくまで学校は実社会の一部であり、切り離された社会ではなく、日本の憲法や法律が広く適用される一般の社会となんら変わりがないということだ。