ゴア歴史探訪ーportuguese Goa

ゴア歴史探訪ーportuguese Goa

さて先日インドのゴアに観光に行ってきました。ゴアはビーチが有名だったり、トランスパーティー、ヒッピーの聖地だったアンジュナなどが有名ですが、今回はオールドゴア及びゴアの歴史についてのお話です。

写真はフランシスコ・ザビエルのひ孫 D. Francisco da Gama (ゴア総督)が建てた港から港へ続くゲート

オールドゴアと呼ばれるパナジから少し離れたエリアがあります。ここはポルトガルが最初に占領を始めたエリアで1510年くらいに初めてポルトガル人が上陸したといわれています。今では首都はパナジに移り、ヤシの木の林に覆われ古い赤レンガの遺構がわずかに残るのみです。古い町並みや教会を観光客が訪れる観光地ではありますが、当時パリやフランスより人口が多かったといわれる(20万人!)面影を探し出し想像するのはかなり大変な作業した。

私達は歴史ツアーのようなものに参加したのですが、ガイドさんがインドの若者とイギリス人の歴史マニアの様なおじさんで、この方の話が面白かった。彼が語るには、当時のゴアはヨーロッパ人の憧れの地、一旗揚げて大金持ちになろうという人でごった返していたそうです。ローマンカトリック勢力を中心にユダヤ人やアルメニア人、その他いろいろな国から人が集まっていたそうです。

ゴアの隆盛の原因は?

私はゴアはスパイスや紅茶の輸出と綿花などで潤っていたのだと思っていました。これはイギリス統治とケララからの輸出がごちゃ混ぜになっていた様です。ゴアの隆盛の原因はアラブからの馬の輸入と火薬や武器の現地製造だそうです。アラブの良い馬を大量に輸入し、諸侯に売る、それもどこに売るのがポルトガルの支配に有利な影響があるのかを見極めながら。当時はヒンドゥー教国とイスラム教国の戦いがあちこちで起こっていたようで、ポルトガルが第三国として存在したようです。そして彼らはゴアに火薬製造工場、武器製造工場を作り、それも売りさばきつつインドの中で地位を確立していったようです。

ゴアは17世紀のドバイ?

こういった彼の話を聞いていて頭をよぎったのが、ドバイです。現代のドバイと当時のゴアはとても似ているな〜と思いました。世界中から立身出世を目指して集まる人々、世界からゴアを目指して集まる船、石油と馬、武器など他にはない強いコモディティ、そして限定された狭い地域の特殊な環境、まるでフリーゾーンの様な場所。そんなことを考えていると、一つの教会の前で、「この教会の壁に施されている紋様は以前の時代には見られず、多分実験的な建築家が自分のアイデアを取り入れた」と言っています。まさにドバイ。世界中から若手建築家が集まる点も似ています。

ゴア(オールドゴア地区)の人口は1600年に20万人、1700年に2万人、1800年には4000人しかいなくなったそうです。20万人の人口を抱えるために1500年初頭から100年の間にどれだけの建物が建ったのか!どれだけ多くの建築家が必要だったかは想像に難くありません。人口がこの地区から減っていった理由はマラリアとコレラの蔓延といわれています。1759年には総督が新首都パナジに移っています。

ここゴアでも当時の人種の多様さを感じました。ヨーロッパ各国、インド各地から訪れ定住する人々。ポルトガルはローマンカトリックへの改宗を強要したりしたそうですが、様々な宗教の人が入り混じっていたそうです。オールドゴアに残るのはカトリックの教会の遺跡ですが、きっとユダヤ教やモスリム、仏教徒、もちろんヒンズー教徒もいたんでしょうね。

日本代表は天正遣欧少年使節団がこの頃に立ち寄っています!Jesuit系の神父さんはゴア→マラッカ→マカオ→日本と旅をしていたようです。少年使節団は宣教師に連れられて行ったので、フランシスコ・ザビエル が来たルートを逆に辿ってヨーロッパに行ったんですね。熱い!日本人の使用人や奴隷がポルトガル船に乗ってゴアまで来ているという話も聞きました。その子孫がまだいるのかな〜。いつも思うのは私たち現代人が考えるより、昔の人は世界中を移動していたということです。まあ世界人口も違うし、危険度も違いますけどね。

ゴアの返還

近現代のゴアで特筆すべきは1961年までポルトガル領だったということでしょう。つい最近まで、という感じがします。 インド独立1947年から大分経ってますね。調べてみるとフランス領ポンディシェリも1954年返還などイギリスが去ってからもまだ植民地が残っていたわけですね。

インドの歴史を見ていくと日本でいう外圧の連続の様な気がします。アーリア人侵入から始まり、モスリム勢力、ヨーロッパ人と。そしてその血がインドに今も生きています。もう外圧というか、誰が本当のインド人なのかわからない!考えてもしょうがない!みたいな歴史に思えます。国民政党のトップがイタリア人のおばさんなのもスッと受け入れられるんですね。外圧の比較的なかった日本と比べると国民性や考え方が違うのも当たり前かなと思えます。

ゴアのカレー

私は多分インドの中で一番ゴアのカレーが好きです。ゴアのカレーはターメリックをたっぷり使い、エビか魚が入ったカレーになります。フィッシュフライも付いてきます。海鮮系のだしとターメリックという組み合わせは最強で、あまり辛くないところも日本人好みだと思います。その他のカレーもless spicy、素材の味が生きています!リッツクラシック レストランというところで食べましたがここが大人気店で味も最高!ビールも普通のレストランで昼間からサラッと飲めてしまうゴアに乾杯!お酒が安すぎることにも乾杯!バンザイゴア!