ネパール内戦時の動画 (Movies of Nepalese civil war)

ネパール内戦時の動画 (Movies of Nepalese civil war)

 

この3つの映像はJourneyman pictures というイギリスの紛争地帯や戦争状態にある場所の映像を制作する会社が作ったものです。ネパールの内戦時の国内の様子を詳細に、かなり奥地まで取材していて面白いです。

内戦の開始から、封建制度(王政)の崩壊した後のネパール、殺された王族の葬式風景、一般人になった王族が孤児院の様な場所を案内したり、内戦からその終結までを描いています。

この映像を見た時ネパールに旅行した時に見たタイムスリップしたかのような風景や街中の人たちと、共産主義革命というなんだか繋がらなかった映像がはっきりと繋がりました。予感はしていたけど、中国の大躍進や文化大革命という古い時代を思わせる風景だ。大自然の村の中で小銃を持つ若い男女。埃っぽい道と破壊されたレンガの建物、そこに突如現れる政治将校と名乗る人物、しかし見かけは南アジアのただのおっさん。ネパール語で演じられる安っぽい思想劇、歌や踊りでの思想教化。C国共産党のご老人はまるで自分の若い頃を見ているようだったろうと想像する。

ネパールの風土と自然の中に中国共産主義が入って来たらこうなるんだろうな、という想像を裏切らない映像でした。ただ余りにもそのまま過ぎて、ゾッとする気持ちとなんだかやるせない気持ちになりました。

ヒンドゥーの神の生まれ変わりとされる国王が権力を持つ国で、インドより酷いといわれるカーストシステムの中で、またアジア最貧といわれる経済環境の中で育てば、こうも簡単に共産主義を受け入れてしまうのか?と正直、愕然としました。

もっとネパールにとって良い道のりはないのか?もっとも近い国インドが上手くネパール政治を誘導できなかったのか?立憲君主制と民主主義をブータンの様に築けないのか?

日本人にとってネパールといえば大自然とヒマラヤと人懐っこい人々の国というイメージだろう。その国が今こんな状態にあるということを、自然やヒマラヤやネパールが好きな日本人も理解しなくてはいけないのではないか。美しい自然の裏側には開発が進まない内陸国、山深い国という状況、人懐こい人の裏側にあるのは教育の低さや、ひいては収入の低さがある。ネパールが共産化して中国の属国になっても自然がきれいだから、旅行に行ければいいやっていう奴がいたら、まじでXXXXしたい。