ムスリムと飲酒
- 2019.09.30
- 社会・政治
全世界のモスリムの人口は16.5億人を数え、今世紀中にはキリスト教徒の人口と同じくらいになるのではないのかといわれています。日本でも増えるモスリム観光客に向けてハラルビジネスが盛んに取り上げられた時期がありました。
ニュースやWEBで見る限り、モスリムっちゅうのは飲酒に関して無茶苦茶厳しい戒律の中に生きている様な印象があります。私の個人的意見ですが、そんなことはありません。わたしの周りにいるモスリムの友人の話や伝聞ですが飲酒にまつわる話を書いていきたいと思います。
まずドバイに住んでいたとき、最初の数カ月は酒も飲めるのか?どういう生活を人々が送っているのか?わからなかったので疑心暗鬼でしたが、日本人宅では普通に宴会が行われ、ホテルのレストランでは普通に酒が飲めました。これはUAEという比較的飲酒に関して緩い国でしたので、こういう状況だったと思います。
しかしインドから出稼ぎに来たモスリムの真面目そうな青年などはラマダン(昼間はご飯が食べられない時期)期間中は水も飲まず、40℃近い中で肉体労働をしてぶっ倒れていましたし、酒などは本当に悪魔の飲み物と思っている節もありました。パキスタン出身のドライバーもかなり戒律を守っていました。みんな日に数回のお祈りもきちっとしてました。
これと好対照だったのがアラブの金持ちそうなおっちゃん。高級ホテルのバーでカンドゥーラ(白いアラブの衣装)を来たまま酒を飲んでいたり、海辺のバーで中国人の売春婦と一緒にウイスキーを飲んでいるみたいなのが普通にありました。酔っ払いすぎて、頭の上にある黒い輪っかを床に叩きつけて悪酔いしている人も見ました。
何となくですが貧乏な奴の方が信仰心が篤い、金持ちは全然気にせず飲んでいるって感じです。ここに政治的なステータスとか家柄とか入ると違ってくるのかも知れませんが、UAEは基本はこんな感じでした。
対してインド国内にいるモスリムはもうちょっとルーズな感じがします。イスラム国家ではないのでお酒はどこでも手に入るし、特に若いうち、大学生の時などは飲み会も普通にしたそうです。ただ年を取ってハッジとかウムラというメッカ巡礼にいくと途端に真面目になりだすという傾向もあるようです。日本でいうと40代のおっさんが靖国神社に行って改心したとかそういう感じでしょうか?
あと自分の住んでいる所から出たらOK!感覚があるようです。自分の住んでいる街、国では飲まないけどバンコク、東京、ソウル、中国はOK!とか、多分イスラム色が薄い国だとなんとなくいいだろう、みたいな感覚があるみたいです。ヨーロッパ、アメリカでも多分OKです。旅の恥はかき捨て的な?
絶対に飲み会の写真はFACEBOOKに上げないでくれ、と友人から滾々と言われたことがあります。その数週間前つい何の気無しにFBに飲み会の写真を上げてしまったら、そのモスリムの友達の友達だかがどこからか私の上げた写真を見つけて、奥さんに言いつけたそうです。「モスリムと飲む時はSNSには絶対に写真を上げない」これもおもてなしの一種かもしれません。
最後に豚禁忌については酒に比べて厳しく守っている人が多いです。豚は食べなくてもマトンもチキンもありますが、酒は代わりのものってないですよね。多分それが理由だと思います。
モスリムの人でも楽しく酒を飲んで楽しんでいる人は沢山いると思うので、それはそれで一緒に楽しめばいいと思うし、飲まないというのではあればコーヒーでも飲んで話をする。そんな感じで付き合うのが一番ベストかな〜と考えています。ベジタリアンとか、週3日だけベジタリアン、牛、豚などいろんな面倒臭さ(日本人から見るとね)がありますが、まあ頑張ってくれや!と思います。ただ豚骨スープの旨さはもったいなよな。
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