インド・ケララ州でシリアルキラー発生(毒婦注意)

インド・ケララ州でシリアルキラー発生(毒婦注意)

最近ケララから来たセールスマン君が面白い話をしてくれた。ケララ州にある彼のお姉さんの家の真向かいの家の奥さんが、14年間に6人の人間を殺していたことが発覚!!それもつい1週間前くらいに発覚。ホットな話題なので彼自身も盛り上がっていろいろ話してくれた。それを調べた自分もついつい熱くなってしまいました(笑)

Kozhikode

インドのこの辺です。ケララ州の北、calicutとともいう場所です。ケララのコーチンの北、カルナータカ州マンガロールの南に位置する海沿いのエリアです。

事件の概要

6件の殺人が行われた家
6件の殺人が行われた家

この一連の殺人はJolly JosephというKozhikode に住むクリスチャンの47才の主婦によって14年間かかって行われたシリアルキリング。殺されたのは彼女の夫Roy Thomas (死亡2011年)、義母 Annamma Thomas (死亡2002年)、義父Tom Thomas (死亡2008年)、義母の弟 Mathew (死亡2014年)、親戚のPhillyと彼女の娘1歳Alphine (死亡2016年)。驚くことにJollyは2017年に殺したPhillyの夫で、殺された娘1歳の父親でもあるShajuと再婚している。Shajuとは愛人関係にあったらしい。時系列でいくと

義母2002年ー(6年)ー義父2008年ー(3年)ー夫2011年ー(3年)義母の弟2014年ー(2年)ー愛人とその娘2016年

という順番。

殺害方法は青酸カリによる中毒死で、食べ物に混入させ食べさせ殺したようだ。

この連続殺人が発覚したのは殺された元旦那の兄Rojo(米国在住)が家族内での不審死に疑問を持ち、警察の担当官に再捜査の依頼をしたことがきっかけだったようだ。この依頼をきっかけに当局が遺体を掘り起こして、再検査したところ毒殺という結果が出たようだ。このRojoもJollyの殺害リスト(こわ!リアルデスノートか!)に載っていたが、米国在住ということで殺されずに済んだようだ。

他にもMS Mathew とPrajikumarという男2人が青酸カリをJollyに渡したとして逮捕されており、この2人は金関係の仕事に就いていて、青酸カリを入手可能だったようだ。

動機

一連の殺人の動機は2つあり、1つ目はThomas familyの財産を手にしようとしたこと。このThomas familyは義母のAnnammaが権力、お金を握っていて、この義母を2002年に殺害した。そうすると自動的に夫である義父Tomに実権が移りそうだ。この上の世代2人を殺せば自分の代で財産を自由に出来ると考えたのだろうか。インドでも財産分与や土地の分与などで揉めることは多いようで、日本と同じ様な骨肉の争いがよくあるとも聞く。後述するが遺言書の書き換えは義父Tomが2008年(義母殺害から6年後)に死んだ時点でJollyに財産が渡らないように書かれていたのだろうか?そうだとすれば義父は義理の娘Jollyが自分の妻を殺していたことに感づいていたのかも知れない。

そして2つ目の動機は親類でもある愛人Shajuとの結婚(再婚)だが、自分の夫を殺したのは愛人関係にあるShajuと再婚しようという目的とThomas falmilyの財産を一挙に自分の手中にしようとしたからだろう。一家の息子である自分の夫が財産を手に入れ、その後死ねば財産は妻である自分に入り、愛人との結婚もできる。愛人shajuの現在の妻であるPhillyと娘を殺せば、2回めの結婚への障害は全て取り除かれる様に見える。しかし自分の夫、義母義父の死に疑問を持ちうるさく言ってくる叔父Mathewがいた。夫殺害の3年後にこの叔父は殺されるが、おそらく家族内で3人目の死者、同じ様な死因、そして年をとった2人とは違い、Royはまだ若い。そんなところに叔父Mathewは疑問を持ったのではないだろうか?そして愛人ShajuはもしJollyの殺人を知っていたとすれば、まだ1歳の娘を殺すことに対してどういう感情を持っていたのか?

Shajuとの関係

Shaju
Shaju

このShajuは共犯なのか、2人はどんな関係だったのか?Shajuは非常に怪しく警察から現在も取り調べを受けている。自分のパソコンを違う家に移したり、証拠隠滅を図った可能性もあるようだ。Shajuとその父親は事前にこれらのことを知りようがなかったと無実を訴えているようだが、実際はどうなのだろうか。もし知っていたとすれば、前提条件としてすでに異常な精神状態ではあるとしても、他人である妻を殺すことに対しては見過ごせても、まだ1歳の自分の娘を殺すことを何とも思わないのは異常者だとしか思えない。また愛人関係にあっても殺人の事実は知らなかったケースを考えてみると、全ての殺人はJollyの一人相撲で全てが行われ、Shajuは突然(青酸カリによる死だから)娘と妻が死んだ。この時点では彼はJollyによる殺人だとはわからない。それが一生わからなければいいが、もし発覚した時に彼はJollyに対してどういう感情を持つか?それは多分彼のごく周りにいる人間のみがわかる事実だろう。Shajuが妻と娘を愛していたのか?それともいなくなって欲しいと思っていたのか?

しつこいようだがこの中間のケースも考えられる。妻との関係に疲れ、娘を愛してはいるが愛人との関係の方になびいている。愛人Jollyが少し異常なことも言動からわかっている、薄々彼女の家族で起こっていることの真相も見えてはいる。しかしJollyは献身的にShajuのことを考え、犯行のことは彼には直接教えず「全てがよくなる」みたいな言葉を伝え、Shajuは薄々は気づいてはいるが犯罪行為を知り共犯になることを恐れ、知らない振りをしていた。何となくこの辺が真相の様な気はするが、、、

Jollyの裏の顔

さらにこの事件は広がりを見せていて、義父Tom thomasの遺言が政治家と税務署当局者の助けを得て書き換えられていたことも発見された。Jollyは相当やり手の様で、政治家や税務署にまでネットワークを持っていたことになる。また地元の政治家がJollyと金銭的なやり取りをして、党の評判を落としたということで除名されている。Kozhikode地区では地元の政治まで揺るがす事件になっているようだ。

更なる殺人が行われていた可能性もあり、殺された夫Royの叔母Elsammaはバイク事故で2008年に死んだ28才の息子sunishの件、そのいとこ(24才)のvincentが2002年に首吊り死体で見つかった件にもJollyが関与していると告発している。Vincentの死は最初の義母殺害の2日後だ。さらに!Jollyが頼っていた占星術師が行方不明になっていて、この占星術師にJollyはShajuの財産運などを見てもらっていたようだ。殺人をほのめかすような事を喋ってしまっていてJollyが殺害したということも考えられる。

またJollyはKozhikodeから1時間ほど内陸部に入ったKoodathaiという場所で売春の斡旋を行っていたようだ。顧客はお金持ち、有名人でかなりの収入をここから得ていたようだ。また顧客に対して女性と一緒に写っている写真を使って脅迫を行い、そこからも収入を得ていた。まったく毒婦としかいいようがない。このKoodathaiは名門大学であるNIT(カリカット国立工科大学)のすぐ近くにあり、ここからJollyが青酸カリを入手した可能性、NITの科学講師の死なども警察は捜査している。

*このKoodathaiという土地は有名なwayanadという自然保護区の山岳に沿岸地域のKozhikodeから向かう途中にあり、多分のんびりした山間の小さな街なのだろう。wayanadは象や虎、ひょうも住むケララとカルナタカにまたがった自然保護区。

Jollyの周りで人が沢山死んで、売春斡旋に顧客への脅迫、政治家や税務署職員の買収。これだけ事が起こっているのに、このJollyは怪しまれなかったのか?安定した家族の嫁として平穏に暮らしていたのだろうか?家族が探偵を雇ったり、ローカルの警察は疑いを持たなかったのか?

Jollyは近所の人には非常に親切で愛されていたという。 近所の人は義母が死にお金の管理がJollyによって行われていることは知っていた、それには不信感を抱かなかった。義父は自分の息子よりもJollyに愛情を注いでいたともいう。

まとめ

しかし考えてみると、日本でも「北九州監禁殺人事件」では7人が殺されているし、長期間監禁されている。この事件も被害者一家の家族関係が事件のキーだった気がする。体面を気にする田舎の名家、家族。そんな家族関係の中にサイコパスが入り込む。考えるとゾッとする。普通に暮らす人間が世間を見ると、案外何かが表面化するまでは、日常生活では点と点が結びつかないのかも知れない。そして一度表面化すると一気に点と点が結びつき始める。そして結びつけすぎる人もいそうだ、独断だけど叔母Elsammaさんの告発はちょっと疑問。

思い出すのは毒婦という点では林真須美。毒入りカレー事件の犯人。冤罪では?という記事もあるが、一応刑が確定している。女の人と毒物、怖いっすね〜。

セールスマン君のおばあちゃんもJollyとはご近所さんで「家族内に不幸が多いから、扉の色や水回りの位置を変えたほうがいい」とアドバイスしたことがあったそう。Jollyは「私はそういう迷信は信じない」と答えたそうだが、まあ自分がやってるんだから、信じないわな!! セールスマン君自身の子供もJollyに抱っこしてもらったことがあったり、彼女の家で飲み物をもらったこともあるほどご近所だそうです。怖!!Jollyって ここまで出来るのは絶対にサイコパスだな、と調べてみて確信しました。

Jollyの弁護士は「警察は情報を意図的にマスコミに流し、マスコミがストーリーを作り上げている。」と言っているので、今後の捜査や裁判で新たな事実や、修正された事実が出てくることもあるだろうことを追記しておきます。