A.Iの発達とベーシックインカム その1
前置き
ここは海の街、僕は見張り台。
こんばんはタマオです。
実はですね、僕の仕事(本業)って物凄い退屈な仕事なんです。
ここは海に面した街で、大きな工業地帯もあって商船の出入りなんかもかなりあるんで、色々な人や物が外の世界から入って来るのですけども、僕はそれらが不法に入って来てないかどうかを見張る仕事をしています。
こんな風に書くと大層な仕事な感もありますけどもね…実際は退屈極まりないんですよ…。
僕のいる班は外洋班で主に不法侵入船を捕捉する仕事なんですけど、まぁそんな船は滅多に来ないっすよ。
一日がレーダーと水平線を眺めているだけで終わるのが常です。
だからこの仕事のキモは、この長い勤務時間(24時間体制だから時間が超長い!!)をどう退屈せずに潰せるかにかかっているのです。
だからね、普通の職場じゃタブーになってる政治の話しなんか結構みんな好きですよ。
話も広がりますし、意見が別れて論争になりますからね。
喧嘩にならない程度の論争なら眠気覚ましのいい刺激になるってものですよ。
なんせ、朝まで長いですから…
ほんと時間だけは腐る程あってやるべき仕事は全然ないのですから、色々な話を同僚とします。
同僚の方々は一癖もふた癖もある方が多く、70手前のおじいさんから、学校出たばかりの20代まで年齢層もバラバラ。
でも話題に関して普通の日本の職場のようなタブーは一切ありません。
政治ネタから始まって歴史ネタ、さらにはそこから戦争ネタが広がってナチスネタになり、ユダヤネタに繋がり、陰謀論まで、ここまで来ると僕もテンション上がってもう話は尽きません…上司までそういう話にノッちゃったりしてて…なんて自由な職場なのだ…。
そう、この職場、一度持ち場についたら24時間出る事の出来ないはっきり言って監獄のような職場なんですが、心の中を自由に語る事が出来れば、人間、とんでもなく自由を感じてしまうから不思議なものです。
監獄の様な職場で結構楽しく働いてます。
で、この職場で一番仲が良いSさんという同僚がおりまして、実は彼、僕よりも一周り若い20代なんですけど、知識欲が旺盛で、哲学や宇宙や物理などいつも面白いネタを仕入れて来て色々な話しを聞かせてくれます。
それで僕もこう言っちゃなんですけど、年の功といいますか、変なサブカル的知識だけは自信がありますので(ほぼウル覚えですがね…)僕的な意見や私見を返しているとかなり盛り上がって来るのですね。
仕事の立場的には年下の彼が上司なのですが、僕の事を「タマオ先生!」なんて言って立ててくれるので悪い気はしません。
興が乗って舌が廻りだし朝まで話は尽きません。
本題 … A.Iが最近ヤヴァイ
あー長い前置きだった。
で彼が最近ハマってるのがどうやらA.Iみたいなんです。
Sさん「ねータマオ先生!!A.Iって最近僕、ヤヴァイと思うんですよね!」
タマオ「ああA.Iね、、最近話題だね。なんかチェスで人間に勝ったらしいね…」
Sさん 「チェスなんて何十年前の話してんすか!もう!!ファミコン時代じゃないんだから!!プレステ世代舐めないで下さいよ!!」
「それどころじゃないですよ!!今やA.Iが社会を変えていってるんですよ!!」
タマオ「ああ、あれだろ、そのうち人間の頭脳を超えるとかなんとか…」
Sさん「そう、それですよ、それ!シンギュラリティっすよ!さすがですね!知ってました?」
タマオ 「ん、あれだろ、ガラスの靴を履いてキスされて永遠の眠りにつくんだよね…。」
Sさん「それはシンデレラでしょ!!しかも白雪姫混ぜようとしてるけどそのストーリー全然違うから!…相変わらず脳ミソ腐ってんな(ボソボソ)」
タマオ「あれ、違ったかぁ…あとなんかボソボソ言ってて聞こえなかったけど…」
Sさん「も〜、先生しっかりしてくださいよぉ〜。シンギュラリティっていうのは、人工知能が人類の知能を超える転換点の事じゃないてすかぁ、それが2035年頃になるんじゃないかって言われてるんですよ!」
タマオ「は〜。なるほどね〜。そーなったら今やってる我々のような仕事は全部機械に取って代わられちゃうね〜。」
Sさん「そうっすよ!A.Iだったら仕事中も僕達みたいにこんな馬鹿話して、モニター見落とすことも無いですからね。確実に僕達より優秀ですよ。」
タマオ「ええっ困るな〜。この仕事結構気に入ってるのになぁ。こんな馬鹿話してるだけでお金貰える仕事ないよ…。」
Sさん「それは先生の分まで僕がやってるから…」
「それにこの仕事だけじゃないっすよ。物流や小売、それから会計や法律関連などの頭脳労働など全ての仕事がA.Iに取って代わられようとしてるんですよ!」
タマオ「そうそう、なんかネットニュースで見たよ。ドローンを使った宅配便が始まるらしいね。それから自動運転の技術も実用化まであと少しで、実用化されれば、トラックドライバーやタクシードライバーという職業が無くなるるだろうって。」
Sさん「そうっすよ!A.Iが発達すればするほどありとあらゆる職業がA.I化され人間の手から失われていくんですよ!」
タマオ「大失業時代の到来じゃない、ヤヴァイな〜」
Sさん 「ハッハッハッハ!!
タマオ先生心配ご無用ですよ!!」
「その頃になればベーシックインカム制度が社会に導入されますから!!!」
タマオ「ベーシックインカム??ああ、一律の給付金だっけ?」
Sさん「そう、A.Iが我々の代わりに働いてくれるようになり、僕達はあくせく働かなくても暮らせるようになるんですよ!!夢の時代がやってくるんです!!」
タマオ「うーん、そんなに上手くいくかなぁ…」
続く…
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