令和に感じる深い嫌悪感
- 2019.04.22
- 社会・政治
新元号の令和ですが、こーのネーミング、どう思いますか?
僕的には、この名前についてここ3週間ほど少しづつ考えていたのですが、初めてこの名前を聞いた瞬間から、、、そして今でもずーっと嫌悪感を抱いています。
先日、新聞記事で外務省は正式に令和の英訳をBeautiful Harmoneyと定めた。とありました。
でも令をBeautifulって訳すのは無理がありすぎます。
漢字辞書を調べても、
令は「もともと亼(しゆう)(=集。あつめる)と、卩(せつ)(人がひざまずいた形)とから成り、人を集めて従わせる、いいつける意を表す。」
または「頭上に頂く冠の象形」と「ひざまずく人」の象形から、人がひざまずいて神意を聞く事を意味し、そこから、「命ずる・いいつける」を意味する「令」という漢字が成り立ちました。」とあります。
確かに令嬢や令名など、「良い」「立派な」と言う意味もあります。でもこれは令という「人を従わせる立場にある」という意味から派生した言葉であると考えます。
一般的に考えて、令は命令するという意味で捉えるのが普通の感覚です。
なので、最初にこの令和という名前を聞いて、
「和を令するってこと?おとなしく仲良くしてなさいっていう命令か?、なんて上から目線な元号だ、ひでぇな」と第一印象で思いました。
これは僕が感じただけではなく、
この記事でも(東京大学の中世史研究者、本郷和人は「漢和辞典の最初は“命令”といった説明が出る」、「『巧言令色鮮し仁』という冷色という媚びへつらいは仁愛にもとるという意味の故事からすると、「令」というのは望ましくない」「「令」はせしむ。上から平和になりなさいと命令している」「「令旨」という皇太子の命令の意味と結びつきがあるので、天皇に関わるものとして相応しくない」[31][32] と解説している。)
とある。
また自民党の石破議員も令和について、「違和感がある。『令』の字の意味について国民が納得してもらえるよう説明する努力をしなければならない」と言った。
それにしても、気持ち悪いのがこの記事で、
「本来的な「令」の意味はそうではない。「令」はもともと「清々しい」という意味を表す言葉だ。」
なんて事が平然と書かれており、テレビでもそういうことを平気で言ってる学者がいます。
こういうサイトや学者なんかが氾濫してるところからも、この新元号に関する空気がおかしなところに行っているような気がします。
ほとんどの人は「令は美しいという意味です」という説明に納得している様子ですが、腹の底ではどう思っているのだろう?
僕は子供だましに思えてならない。
安倍首相が東京五輪誘致の時に福島原発を「アンダーコントロールしてる」と言ったのと同じような手口を感じる。
そして先日、新聞に出ていた有識者懇談会の内容が発表された。
やはり思ったとおり、議論の最後は首相が一任して決めており、議論の内容もあまり良くわからず、最初から政府側押しの令和ありきの懇談会だったようだ。
それにしても、あまりにも現内閣がこの元号に強く関わってるので驚いた。
そしてまるで首相が自分一人で決めたかのようなしたり顔で新元号の会見に出ているのを見て、違和感はより強くなった。
首相という行政の長である「個人」が一つの時代の名前を決めるほどの「力」を持つ存在っていうのはすごくおかしなことではないのか?
古代中国が年号に名前をつけることで皇帝の力を誇示したのと、これは全く同じ事ではないのか?
はっきり言って、「令和」は安倍政権の中枢が名付けた名前ということで間違いがないだろう。
そしてこの命名には、自分たちの「力」を誇示してやろうという、明確な悪意が僕には見えてしまう。
「令」という、権力に寄り添った「問題のある」字を使い、大きな批判も起こさせずに、なんとはなしに社会に浸透させてしまう。
俺たちにはこれだけの力があるぞ、めんどくさいこと言わずに和をもって黙って俺たちに従え、、、こんなメッセージをどうしてもこの元号から僕は感じてしまうのだ。
もうあと一年もすると、ネットで令の字の意味を調べると、
①美しい……と出るようになるのだろう。
それにしても現政権はやり口が汚い。所詮元号だからもしそうした悪意があっても真相は誰にもわからない。そして時代の名前になってしまったら黙って使う以外にない。でも人間そうした小さな環境から無意識に支配されていくのだとしたらやはり見過ごせない問題だと思う。
令和に比べると平成っていい名前だなぁと思ってしまう。悪意は全く感じない、無難すぎる感じはするけど…とはいえ平成も最初は違和感あった…けど今回は考えれば考えるほど違和感が増殖してくる感じだ。
皆さまはどのように感じているのだろうか?
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