東南アジア旅行記 -台湾編1-
- 2018.06.09
- 旅もの
僕はその日初めて飛行機という乗り物にのった。ヤバかった。なにがヤバかったってそれはチャイナドレスの丈の短さだ。そこからスラリと伸びる台湾ガールの足だ。
僕の取ったチケットは中華航空だった。添乗員の制服はなんとチャイナドレス。しかもラッキーな事に僕の席は添乗員の控え室の隣だった。カーテン越しに下半身だけが見えるのだ。
いやが応にも旅(⁉︎)へのテンションが高まっていく。
初めての飛行機はチャイナドレスとそこから見える脚の事しか覚えていない。やはり日本人とは違うナと外国に来た事を噛み締めているうちに台湾へ飛行機は着陸した。
何故この飛行機は目的地のタイに行かずに、台湾に着陸したかというと、乗り換えのためである、いわゆるトランジットというやつだ。
僕はいつもの貧乏性で、トランジットの説明を旅行会社から受けた時それなら台湾も見てやろうじゃないか、と3日間滞在してからタイに向かうよう切符を手配したのだ。
台北の空港が近づいて来る、豆粒のように小さかった家々や大地がみるみる大きくなり、台北郊外の景色が横に流れていく。
緑が濃い。剥き出しの赤茶けた大地の色が目に痛い。
台北空港からはバスで街の中心部まで向かう。台湾のバスの外装はボコボコでスピードを出してかっ飛ばして行く。ぶつかりまくっても気にしないんだろうなぁ。
一月の台湾は以外にも寒かった。沖縄よりも南だからあったかいだろうと思い、荷物を軽くするためほとんど服を持ってこなかった身には予想外であった。
ちなみに僕の荷物の中身をご紹介しよう。
まず服はズボン2着とTシャツ3枚、パンツ数枚。
上着は薄手のカッパのようなウィンドブレーカが一枚。
あとアイワの会議とか録音する用の今は懐かしいスピーカー付きテープ式超安物ウォークマン。
フィルムのコンパクトカメラ。
あと非常時用のNASAが開発したと書いてある(ホントか?)バカでかいアルミホイルのような保温シート。
それからスケッチブック、スケジュール帳、地球の歩き方や東南アジア諸国の簡単な言葉がかいてある本。洗濯を干す時使うフック付きのヒモ。
さらに知り合いのオジさんの引越しの手伝いをした時に現金の代わりに貰ったBaby-Gみたいな小型のG-SHOCK。
これだけだ。
あと現金とパスポートとクレジットカードか。これらは念のため友人に勧められた腹巻の中に入れ肌身離さず持ち歩いている。
財産はたった15万円。
実家暮らしのくせにこれしか貯められるなかった。この内10万円は盗まれても良いように旅行用の小切手、トラベラーズチェックにした。これも友人の入れ知恵だ。
貧乏なのにそこまで用心深くする必要はあるのか。いや、貧乏だからこそ用心深いのか。いまとなってはよくわからない、というか面倒なのであまりそこまで考えたくない。
厳選した(⁈)数少ないこれら荷物を、オヤジのお下がりの年代物のノースフェイスの登山用バックパックに放り込んできた。
このバックパックはデザインも相当古臭くて、こんなの背負ってる奴はまず見ない。
変人にしか見られないような代物だ。オマケに機能性も最悪で出し入れ出来る口が1箇所しかない、あと小さなポケットがひとつ付いているだけだ。
こんな装備で、初の海外一人旅に立ち向かっていったわけである。
これがまさか半年を超える旅になろうとはこの時、夢にも思っていなかった。
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