チャットモンチーと橋本絵莉子論

チャットモンチーと橋本絵莉子論

最近うちの家族で流行ってる音楽がある。
それはチャットモンチーだ。

4歳の末の娘も良く口ずさんでいる。
この前までお気に入りは「恋愛スピリッツ」だった。

この曲を知ってる人だったら大ウケだろう、だって年少の幼児が「だかーらあなたは私を手放せないー!」なんて言って大声で歌ってるんだから…

嫁のクルマをたまに運転するとカーステレオからいつもチャットモンチーがかかってくる。
ある日幼稚園に送り届けた帰りにふと聴き始め、気づいたら庭の駐車場でベストアルバム一枚聴きふけってしまった。

その日からアマゾンミュージックの聴き放題でチャットモンチーが全アルバム聞ける事を発見し、毎日のように聴いていた。
3週間入院してた時もチャットモンチーばかり聴いていた。

凄いよな、チャットモンチー。
幼児から、普段マニアックな洋楽しか聞かない中年男まで魅了するんだから。

そして僕はかなりチャットモンチー、特にボーカルギターの橋本絵莉子のファンになってしまった。

ファンと言っても底の浅い3ヶ月目のにわかファンなので、本当のファンの方がこの文章を目にしたら、なんだこの不愉快な文章は!怒られてしまうかもしれない。
でも本当に書きたい事が色々あるので書こうと思う。

チャットモンチーはデビューしたのが、2005年で、解散したのが去年の2018年で10年以上のまあまあキャリアがあるバンドの訳なのだが、本当に色々なタイプの曲をやって、挑戦している。
それこそガレージロックみたいのから、ディスコっぽいの、ヒップホップからテクノ、そして皆に広く知られてるCMソングまで様々だ。

特にドラムが抜けたあとの2人体制になってからは本当に恐れず、色々な事に挑戦している。
普通ガールズバンドの大御所まで言われるレベルまで行ってしまうと、変化を恐れ、今までの焼き直しの方向に行くバンドが多い中、
ドラムが抜けた後、新しいドラマーは入れず、なんとベースがドラムに転向して、2人だけでやるといって、実際、2人だけでライブをやっていたのだ。

そして出した「変身」というアルバムは素晴らしいものだった。
特にタイトル曲の「変身」が僕は大好き。
この曲のテクノバージョンが最高!!

普通1人辞めたらバンドの勢いは落ちる。
だがチャットモンチーはそれをキッカケとして前向きに捉え、2人だけでバンドを作る事に挑戦し、そして変身し、そのフレッシュさが逆にバンドに勢いを与えた。

2人は失敗を恐れず変身した。

それって凄い勇気だ。

だってもう何千何万いや百万人以上の熱心なファンがいて、紅白歌合戦に出るような邦楽の世界にいるバンドがそれをやっちゃうんだから。

そう僕はこのバンドに本当に勇気を貰った。

そしてチャットモンチーは邦楽のつまらない常識に囚われず、自由に活動を始めた。

もしかしたらドラムの高橋久美子が辞めた事がその脱出のきっかけになったのかもしれない。
もしもあそこでやめなかったら、邦楽世界のつまらないバンドになっていったかもしれないなぁなどと思うのです。

もちろん三人編成時代の初期チャットモンチーはめちゃくちゃ最高だ。
とくに僕は徳島から東京に出てきたばかりのファーストアルバム「耳鳴り」あたりはかなり好きだ。

音を極力重ねず、三人のみでライブで再現できるよう構成されたソリッドなサウンドははっきりいってそこらの男のバンドより男前だ。

素朴だがアイディアと工夫凝らしたギターとベースとドラムだけの、無駄を徹底的に削ぎ落としたスタイルでアルバムチャート2位(2枚目の生命力)まで行って、テレビでもバンバン流されていた事が驚き。

売れたのは、やはり橋本橋本絵莉子の曲作りの巧さと声、それとベースの福岡晃子、ドラムの高橋久美子の詩が素晴らしいのも大きい。

でもみんなでアイディアを出し合ってひたすら練習して物凄くスリーピースバンドしてると思うのだ。

その頃の代表曲はやはりこれだろう。

最後のライブでもトリで演奏した「シャングリラ」

かなり変なことやってるけど、超キャッチーな曲。僕の中では理想系だ。

でも僕が一番好きなのは当時のアルバムに未収録のシングルB面曲だ。
(のちに表情というレアトラック集アルバムに収録)

ここら辺はインディーズ感満載でたまらない。

もーカワユイー!もーこのキュンキュンくる感じがたまらんのですわ〜

はっ、ただの酔っ払いオヤジになり下がってしまったのだ!!

それにしても橋本絵莉子さんはやっぱり勇気あると思うわ。意気地あると思う。

去年出した、チャットモンチーでなくて、橋本絵莉子波多野裕文っていうユニットのアルバムがあるのだけど、これなんか相当凄い。
出だしジョンレノンと小野洋子のツーバージンかと思っちゃったもの。
なんか二人でベットサイドで録音しちゃったかのような雰囲気……

まあ、実際そんな事はない訳だけど、このアルバムも凄く良かった。
ちなみにこれは出だしの曲のあとの曲。

もうこのユニットは終わってしまったらしい……

まぁチャットモンチーは解散してしまってとても残念なわけだけど、橋本さんからは目が離せない訳なのです。

最後までお読み頂いてありがとうございました!