日本国憲法は賞味期限切れなのか?
- 2022.05.06 最終更新日
- 2022.05.07
- 社会・政治
憲法改正:新聞各社の世論調査が出そろう。安倍政権時代とリベラル派が激変!
憲法改正の世論調査が行われ各新聞などの結果が出たようだ。今回大きく変わったのは、毎日や朝日などのリベラル系メディアの結果で改憲が必要な方向、または議論が必要などが大きく伸びた。
今回の改憲、若しくは改憲に向けての議論必要派が増えた結果はウクライナ侵攻に大きな要因がありそうだ。増していく中国の脅威、付随する台湾有事への懸念、止むことのない北朝鮮の核開発、ミサイル実験にも原因を求められるだろう。
世界の中でも不安定要素が大きい東アジアという地域は歴史を見てみても、明治時代にはロシアと清を相手に朝鮮半島や大陸で戦い、昭和には日中戦争やアジア・太平洋戦争で、蒋介石、毛沢東、スターリンと日本は戦った。北朝鮮も建国の伝説は信ぴょう性が低いとしても、アジア・太平洋戦争後の混乱から建国された国だろう。そう考えると、明治以降の東アジア情勢は緊迫していた時間の方が長い訳であって、アジア・太平洋戦争後1945年から1990年代まで、中国の台頭や、北朝鮮の核開発が始まるまで「日本って平和だよね〜」と言っていられた時間が例外的だったといえる。
明治が始まる時には、既にイギリスはアヘン戦争やアロー戦争を起こしている。ロシアのウラジオストク港は1860年に建設が始まっている。明治初年より以前に東アジア地域は動乱に大きく動いている。この時は西欧列強の領土拡大、貿易拡大という面が大きいが、東アジア地域が世界(西欧中心だが)の歴史の一部となって、世界と対峙しなくてはいけなくなったとは言えるだろう。明治元年(1868年)から1945年までの77年間、少なくとも日本は、東アジアの動乱に直接対応し、軍を派遣し、東アジアの盟主として対応してきたといえる。
1945年から1990年までの45年間。経済優先で、いわゆる平和憲法を掲げ、軍隊を持たず、米国との安全保障に頼りやってきた体制はそろそろ賞味期限切れ、いや、既に90年代に賞味期限切れになっていた様に思う。
根拠を示せないので感覚としかいえないがバブル崩壊と平和憲法の賞味期限が重なるように思えてならない。
00年代は東アジアの情勢も大きく変化し、それまで後進国だと思われていた中国の経済的な台頭や、北朝鮮という国への幻想のベールが取り払われ、拉致問題が世論を大きく変えた。ロシアはソ連崩壊後に西側の経済が一気に流入し、共産主義の終末を迎えた。韓国、台湾もNIES諸国といわれ、この時期に経済的発展を遂げている。
この90年代〜00年代に東アジアは大きな変化の緒についていて、その時に巻かれた種は今ちゃんとその通りの形になり実っている感覚がある。北朝鮮は金日成の頃から独裁国家だし、中国が経済力を持てば「民主化」するという理論は根拠を持たない。ロシアが在りし日に米国と世界を二分した偉大な国に戻りたい、というのも納得できる。韓国が中国、ロシア、日本との関係性のバランスゲームをしているのも、李氏朝鮮末期の図式と同じともいえる。
さて現在の日本は70数年前の世界情勢で作られた憲法で、現在の東アジア情勢に対処できるのだろうか?
答えは明らかにノーだろう。
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