犬と犬が2人いて     犬と半年過ごしてしつけとか考える

犬と犬が2人いて     犬と半年過ごしてしつけとか考える

去年の12月、ナナとリンは我が家にやって来ていた。
来ていたと言うのはちょうど僕が病院から退院する前の日に我が家にやって来ていたからである。

犬を飼う事は妻の独断だった。入院中に犬を2匹飼う事にしたからと言われ、世話は誰がするんだと言うと、迷惑はかけないからお願いという事であった。

2匹の犬は異常に騒がしくすばしこかった。初めて僕を見た瞬間飛びかかって来て、ペロペロなめられ、ひっかかれ、目にもとまらぬ速さで動き回り、僕の身体はリードでがんじがらめにされてしまった。

名前は子供達がつけたらしい。2匹は姉妹で紀州犬となんかの雑種とのハーフだそうだ。
黄色っぽいのがナナで本当の名前はバナナ。
白っぽいのがリンで本当の名前はリンゴ。
生後5か月で、それぞれ黄色とピンクの首輪をはめていた。

飼ってから始めの内は僕も安静にしなければいけなかった事もあり、妻が甲斐甲斐しく2匹の面倒を見ていた。
しかし一週間もすると、僕が散歩に行ったり、エサをあげたり、フンを掃除する頻度が高まってきた。

別に文句を言うつもりはない。決してない。
だいたいこうなる様な気がしていたのだ。
それに毎日散歩するのは嫌いじゃない。
出不精な自分と子供達を外に連れ出してくれる機会を作ってくれる。

それにしても、2匹は異常に活発というか落ち着きがなく、エサをあげるとものすごい勢いでものの数秒で平らげてしまうし、その後も鼻を地面につけ、ブタのような音をさせながら、残像が見えるほどの速さでいつまでもこぼしたエサを探し回っている。

散歩に行っても、永遠と草を食べていて、全く散歩にならない。草だけならいいがう◯こなど落ちてるものをなんでも食べてしまう。
酷い時は一匹がしてる先からもう一匹が食べ始める有様だ。

僕の子供の頃飼っていた犬は言うことをよく聞く非常に大人しく賢い犬だった。
飼い始めの頃はあまりの違いにビックリし怒ってばかりいた。

だが、これには理由があった。
妻が犬を貰った先は農家で、リンとナナは生まれてから一度も檻から出る事のない生活を送っていたそうだ。

生後半年近くでなりは大きくても、全くしつけのされていない赤子のように無知な犬だった。

まずは食べて良いものと悪いものを教える事から始めた。
とにかくう◯こは食べ物でないという事を理解させなければならない。
あと落ちてるビニールや、腐った落ち葉なども食べてしまうので、これらを食べないよう常に見てないといけない。

とにかく食欲が異常で、止めなければ草原の草を永遠と食べている。
スマホに夢中になって食べるのを放置していたら2匹とも食べすぎ、腹を壊し、翌日の朝、庭がえらい事になっていた。

散歩中オシッコやう◯ちなどはしない。
どうやら散歩というのは、外に生えたり落ちたりしてるモノを食べに行くものだと思っているらしい。

犬用のオヤツをポケットに忍ばせ、散歩の最中にオシッコやう◯ちをした時、褒めてオヤツをあげる事にした。

褒めて「しつける」作戦だ。

だが、僕のポケットからいいものが出てくる事だけを覚えてしまい、スマホやタバコを取ろうとポケットに手を入れただけで、2匹が飛びかかってきてしまう。

ちなみに猟犬の紀州犬の血が入ってるからなのか2匹とも人間が大好きで運動神経が異常に良く、お腹が減ってる時や遊びたい時は僕をめがけてひたすらピョンピョン飛び跳ね、引っ掻いたり甘噛みをしてくる。跳躍力は僕の顔のあたりまであり避けるのに必死だ。
雨の日は一瞬で全身泥まみれにされる。

正直飼い始めの時は全く犬に興味はなく、庭にいる面倒で邪魔な生き物としかおもえなかった。
僕に向かってじゃれてくるのも凄く痛くて腕は血が滲んでくるし、怒ってばかりいて、はじめは叩いたりもした。

これは妻や子供たちのひんしゅくを買い、叩くのはやめ、吠えたりピョンピョンじゃれてきたら、無視する事にした。
逆に大人しい時はこっちから近づくようにした。

上記のような「しつけ」をはじめて一カ月…。
リンは外でオシッコやう◯こをする事を覚え、ナナは僕に近づくとゴロゴロ地面を転がるようになった。

ある日二匹が庭を脱走した時、気づいて呼び止めた瞬間、きびすを返して外に行くのをやめ、しっぽをふりながら笑顔で僕に向かって猛ダッシュしてきた。

正直、子供達も僕のいう事をろくすっぽ聞いてくれない今日この頃、
リンとナナはどこにいても僕が呼べばしっぽを振りながら猛ダッシュして来てくれる。
これには少し感動して、なんだか可愛くなってきてしまう。

飼い始めてから半年。
すっかり、犬の世話は僕の役目になったわけで、、、
そして2人はだいぶ飼い犬らしくなり、気づけばすっかり家族のようになっていた。

文中、汚物を何度も登場させ失礼しました。気分を害された方ごめんなさい。