反捕鯨ってなんでやってるの?
- 2018.06.03
- 社会・政治
反捕鯨、反イルカ漁の動きは今どうなっているんだろう?映画「ザ・コーブ」やシーシェーパードの活動がニュースで一時よく取りあげられていたが、いまだにオーストラリアや反捕鯨団体、グリーンピースなどが反対活動を活発に行っているんだろうか?
個人的にこの問題の論点で一番気になるのが「イルカやクジラは頭のいい動物だから殺してはいけない」「人間に近い動物だから殺してはいけない」という理論。 どうもこの理論は優生学的な響きがする。遺伝的に優等な種を残し、能力が劣る遺伝子は残さない。こう聞くとトンデモ理論に聞こえるが、最近まで法律でも整備されていた。
つい最近の’96年までハンセン病や遺伝性疾患の人に不妊手術を同意なくすることは合法であった。もちろん、現在はそれが変わり障害者も社会の一員として生きるインクルージョンな社会が理想とされている。
優生学を拡大解釈していくとナチスの様な劣等人種、優等人種という枠にまで考えが及ぶわけで、どうも自分の中ではクジラを殺してはいけない、だけど豚や鶏、牛はクジラより劣るから狭いケージの中で、不衛生な環境で飼い殺しにしてもよい、という西洋人のエゴが垣間見えてこの意見が嫌いらしい。そしてそれを支持して行動しているのが白人の団体というのも気にかかる。
日本人がオーストラリアの屠殺場やチキンブロイラーの工場に行って同じデモ活動をしたら、彼らはなんというのだろう?
クジラが頭のいい動物だといったのはジョン・C・リリーらしい、そしてその後クジラやイルカの脳の研究はそれほど進んでいない。久しぶりにョン・C・リリーの名前を聞いた。一時期この人の本をよく読んでいた。確かにこの人の著作にはニューエイジ的な魅力ある世界観があり、ラッセンの絵でも見ているよい気分にさせられる。しかしその世界観だけで反捕鯨を押し付けられるのは、違う世界観を持った日本人の様な人には受け入れられないだろう。
絶滅危惧種や学術的にしっかりと調査された事実を受け入れられる土壌は日本にはしっかりとあると思う、衰退していくクジラ関連産業を完全に無くすことだって受け入れられると思う。しかし反捕鯨、半イルカ漁がいまいち日本で受け入れられていないのは、この辺りの西洋人のニューエイジ的幻想や価値観からこの運動の基盤が出来ている気がしてならない。
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