ノンストップ読破挑戦中【風雲児たち】

ノンストップ読破挑戦中【風雲児たち】

いやー蟄居、押し込めならぬ自宅待機、長引いてきました。ちょっと古い言葉が出てしまいましたが、そう今主に幕末を描いた超長編「風雲児たち」(みなもと太郎著)という漫画にハマっているんです。

自宅謹慎(待機)が始まった頃より、何か長編の漫画を読むのがいいのでは?とはうっすらと思っていました。そしたら、newspicksで佐渡島庸平さんという方が、「withコロナの今こそ読みたい「漫画6作品」」というタイトルでこの「風雲児たち」をかなりの長編だが、確実に面白い漫画として紹介していたので、早速読んでみることにしました。

ボリュームはというと以下の通りの大長編です。現在継続中で、最新刊が幕末編33巻!!(作者は幕末を描くためには、関ヶ原から描かねばならない!というとてつもなく大河巨編的な考えで構想を練られたそうです、実際大河ドラマ10本分以上ですww)

内容は本当に濃く、1冊読み終えるのに、鬼滅の刃の3倍はかかりますww。それは文字が多いこと、人間関係、大名と幕府の関係などの関係性を理解するのに結構時間がかかる。登場人物、事件などをwiki等で調べだすと、そこでまた時間がかかってくる!等!、とにかく知識欲、好奇心を掻き立て、歴史欲にどっぷりとハマらせてくれる漫画なんです。

(薩長の遺恨は関ヶ原から、500円札の岩倉具視、実は超腹黒い公家だった、北海道開拓使と松前藩など、知ってる人には常識だとは思うんですが。。)個人的に好きなのは最上徳内間宮林蔵の蝦夷探検、調査の話です。

そして読んでいる気づいたこの漫画を読む最大のメリットは、「自分は歴史の表面しか知らなかった!!」ということを身に沁みてわかることです。例えば、学校の歴史で覚える幕末といえばざっと「大政奉還」「王政復古」「五箇条の御誓文」とか坂本龍馬西郷どん、とかでしょうか?(俺が勉強してないだけかも。。。)、そして出来上がるイメージは時代遅れになって腐敗した徳川幕府が、薩摩や長州の共闘で倒れ、これらの藩が中心になって明治新政府を作った。くらいでしょうか?あとは会津の悲劇とか、五稜郭での戦い?その位かな。

何となく分かっているようで、わからなかった幕末。浪人?脱藩者?外国の圧力?薩長はなんで強かったの?朝廷って担ぎ出されただけなの?どうして浪人や下級武士が力を持てた?などなど!

何となく霧がかったようなこの時代の疑問、深層部を漫画で解決してくれる、素晴らしい漫画なのです。

風雲児たち(全20巻)

風雲児たち 幕末編(最新刊33巻)

作者 みなもと太郎さんは歴史資料や現地取材を細かく行っており、実際作者が歴史的新事実を発見したりして、この漫画は歴史研究史料としても見れるんじゃないでしょうか、というほどスゴイ。

実際読んでいくと、幕府、朝廷、外国、在野の人々、武士、町人、学者や浪人、幕末にはこれだけの人が動いて、関わり合い、変革を起こし、意気投合、または失意の内に死んでいったのかという感慨を覚えます。

また明治維新(1868年)から2020年まで150年程度しか経っておらず、江戸幕府260年の歴史からみると、令和の時代でもまだ維新の時代に近いんだ、という事が感覚としてわかります。明治になるまで日本の武士や民衆がどういう常識を持って生きていたか、(これはほんの150年程前に行った遣米、遣欧使節団の話を読むと特に思います)それが現在の日本人を形作っているな〜と思います。

自分で行くと、曾祖父さん辺りは明治初め、その上の世代はまさに幕末の生まれ、4代遡ると幕府があって、腰に刀を付け、外国人は外夷、メリケン、夷人と呼ばれ、外国にいくことは死罪を意味していた。そんな時代なのです。

そして以下の図を見てください。

明治維新以降の話になりますが、開国してからこんなに短い期間にこれだけの戦争をして、列強の一角に日本は入り込んだ訳です。これ以外にも日中戦争や朝鮮併合、台湾併合等等ありますが、明治時代などは武士が洋服に着替えただけで戦っていたと考えた方がいいのでは?あ、でも平民も戦争に行っているのか。士族ってどんな扱いだったんだろう?ここでも、また知識欲(妄想)が膨らみますww

明治元年―日清戦争 26

明治元年―日露戦争 36

明治元年―第一次大戦 46

明治元年―第二次大戦開戦 71

明治元年―第二次大戦終戦 77

第二次大戦終戦―現在 75

明治維新からロシアに勝つまでは36年、第二次大戦開戦までは71年しか経っていないのです。終戦から現在までの75年よりも短い。江戸幕府があって開国か攘夷、勤王だ、蘭学だといって国内で戦争をした時代から、80年以内で世界を相手に戦争したんですよ。歴史の移り変わりの早さを感じます。この頃の人は新しいことが起こりすぎて大変そうだな〜。

現在漫画をリアルタイム進行形で読んでいますが(まだ読破してません)、幕末編20巻ほどのところで、「え?この漫画まだ完結していないの?」という歴史的事実に衝撃を覚えています。幕末漫画のアップデートをリアルタイムで味わえるのも一興かな。