日本の旧暦は素晴らしかった。
平成を振り返ってなんか書こう
そう思って色々考えてたのですが、
やめました。
平成は日本のオリジナルな元号……つまり日本独自の年の数え方ですよね。
そこからさらに進んで明治の途中までつかわれていた日本独自の暦(カレンダー)があったって知ってますか?
今回は日本が捨ててしまった暦、旧暦、つまり太陰暦について書いてみます。
実はこの10年ほど太陰暦に興味があって色々調べてたのです。
まずは太陽暦について
まずは僕らが普通に使ってる暦、太陽暦についてサラッとお話ししましょう。
太陽暦とは読んで字のごとく太陽と地球の関係をもとにして出来た暦です。
これが発明されたのが、紀元前のエジプトで、それが、キリスト教のもとで改良され1582年にいま僕らが使ってるのとまったく同じグレゴリオ暦がローマ法王の下で制定されました。
なんと今だに400年前のカレンダーのシステムを僕らはこの2000年代というハイテク社会で使い続けているのです。
しかも僕から言わせればこんなもの欠点だらけのポンコツカレンダーだ。
まず、1月、2月、とか言うのに月の動きが全く無視されている。
昔の暦…旧暦だったら15日は必ず満月だったのに、今のカレンダーの日付じゃ、いつが満月なのかわかりゃしないのだ。
月の動きは地球上の生命体の活動に非常に密接に関わっている。
例えばウナギやウミガメなどは満月の日にしか産卵しない。
人間だって、女には月経がある。そして男は狼男になる。(!?)
つまり月はバイオリズムを支配しているといっても過言ではない。
なのに今のカレンダーは月の動きを全く無視ときている。
おまけに毎月が31日だったり、28日だったり全く法則性がない。
だいたい月によって日数がマチマチというのは給料などを計算するのにも非合理極まりない。
そして正月問題だ。
実は昔ながらの本当の正月は二月初旬の頃なのだ。
今でも日本以外の東アジア各国では春節や旧正月やテトとして祝われている。
昔、12月は師走と言っていたのはみなさんご存知だろうが、意味としては師=お坊さん 走=走るほど忙しい
要するに葬式だらけでお坊さんが忙しい月という意味なのだ。
昔の暦だと、12月は今の1月頃で一年で一番寒い時期なので、そりゃ死にますよ。
そしてこの厳しい死の月を抜けた先に、めでたい正月があるのだ。
「一番寒い時期は抜けた!あともうちょいで春だ!!」
だから新春なのだ。身体と心の両面から喜びが自然と湧き出るのがホントの正月なのです。
今の正月はその感動すらもぶち壊してると僕は思う。これからもっと寒くなるっていう時期に祝ってもやはり僕的には違和感がある。
ちなみに今年は2月5日が旧正月。僕ぁその日一人寂しく祝いますよ。
考えれば考えるほど、やはり今のカレンダーは欠点だらけだと思う。
太陽暦の利点としては常に太陽に対して、地球がどこにいるかというのかがわかる点。日付に対して、夏至や冬至、昼の長さや夜の長さがカレンダーと完全にリンクしている。
外仕事している人にはかなり有用だが、建物の中で過ごす事が多い現代人にはあまり有用でなくなってきていると思う。
日本が捨ててしまった太陰暦とは
ではそれに対して太陰暦についてお話ししましょう。
太陰暦とは太陰つまり月の動きをもとにして出来たカレンダーです。
成立はかなり古く、恐らく人類誕生の頃から使われていたと思います。
古代人は夜、月を見て、月の満ち欠けから、今日が何月何日かを判断した。
月が新月になって完全になくなれば、その月は終わり、次の日からは徐々に月が満ちていき、新しい次の月がはじまり満月がだいたい15日目になる。
月の公転周期、つまり地球を一周するのは約29.5日
これが1ヶ月の長さになる。
なんで月の満ち欠けは月が地球の周りを回る公転周期にリンクしているかというと、
月が地球に対してる地点=月が太陽に当たってる場所
になるからだ。
要するに太陽から月をみて月が地球の真後ろにあるときは、地球から見える月の範囲の全てに太陽の光が届くから満月になるというわけ。
絵で説明すればもっと分かりやすいと思う。
そして月の自転周期は地球の周りを回る周期と完全に一致しているから、地球からは月の裏側は絶対見えない。
もし月にいたら一日の長さが29日も続く事になる。そんなのは嫌だ。
古代人は月の満ち欠けをまんまカレンダーにしていた。
その名残りは日本語のあちこちに残っている。
例えば1日の事をツイタチというが、これは月のはじめの日を月立(ツキタチ)と言っていてそれが訛ってツイタチになったそうだ。
太陰暦を研究している身としては月の観察を怠ってはならない。僕は毎晩、庭に出て月を見ている。実はタバコを吸いに行くついでだったりするのだが…
最古の太陰暦は非常にシンプルかつ分かりやすいものだったが、一つ大変な欠点があった。正確な1年の長さがはかれないのだ。
1ヶ月は29.5日なので、29日の月と30日の月が交互に来るとして12ヶ月で354日。
一年の365日に11日も足りない。
なのでこれを繰り返していくと、一年で季節が11日づつズレていき、20年もするとお正月が真夏になってしまう。
なのでこれはまずいので、人類も少し知恵がつき始めると太陰太陽暦というのを考えだした。
もちろん昔の日本人もこれをつかっていた。
元はメソポタミアで発明された大変優れたカレンダーだ。
世界で最も古くから「太陰暦」を用いていたのは、メソポタミア文明をつくったシュメール人であるが、彼らが暦と季節のずれをどのように正していたのかは明らかではない。紀元前2000年ごろのバビロニアでは太陰太陽暦を用いていたが、暦と季節のずれに対しては当初、適当に日や閏月を足して済ませていた。やがてバビロニア人は、19年のあいだに7回、閏月を暦に入れるとほぼ誤差なく暦を運用できるメトン周期の原理に気付き、これに沿って閏月を暦に入れるようになった。メトン周期とは、地球が太陽の周りを19回めぐる日数(太陽暦の19年)は、月の満ち欠けによる235ヶ月(太陰暦の19年と7ヶ月)の日数とほぼ等しいというものである。「メトン」とはバビロンでこの原理を知りギリシアに持ち帰った天文学者メトンの名に由来する。
ーウィキペディアより引用
閏月とは19年に7回、一年が13月ある年を挟む事で、季節がズレないようにする方法です。
そしてその太陰太陽暦が中国に伝わり、さらに改良され日本に伝わってジャパナイズされたのが、江戸時代の天保暦です。
この天保暦の素晴らしいところは、西洋天文学の要素も取り入れ、太陰暦でありながら、太陽の関係性もわかるようになっているところだ。
渋川景佑らが西洋天文学の成果を取り入れて完成させた暦で、実施された太陰太陽暦としてはそれまでで最も精密なものと評価されている。天文学者の平山清次の計算によれば、平均太陽年が365.24219日・平均朔望月が29.530589日に対して、天保暦の太陽年は365.24223日・朔望月は29.530588日であり、グレゴリオ暦の太陽年の365.2425日よりも誤差が小さいことが確かめられている(『暦法及時法』)。
寛政暦までは、二十四節気を1年間を等分(時間分割)して計算する平気法が使用されていた。天保暦では太陽の位置を計算し、天球上の太陽の軌道を24等分(空間分割)して二十四節気を求める定気法を採用した。
ーウィキペディアより引用
月の動きも直感的にわかるし、農業などで求められている太陽の位置も、二十四節気を日付の下に表示する事ですぐに把握出来る大変優れたカレンダーなのです。二十四節気とは立春とか天気予報でおなじみのアレですよ。
僕的イメージでは江戸時代のカレンダーなんて今に比べればよっぽど不正確な原始的なものでしょと思っていましたが、意外や意外、今のカレンダーよりよっぽど優れて正確なカレンダーなのです。
なんでそんな偉大なものを日本は簡単に捨て去ったのでしょう!
それはなんと明治政府が貧乏だったからです。
おバカな明治政府
明治5年の12月に明治政府は突如カレンダーを太陽暦に改正してしまったのですが、
この年はそれまでの天保暦では13月まである閏年で、
「マズいよ君ぃ、来月公務員に払う給料が足らんぞコリャ」
「マジっすか、そりゃまずいっすねー。そうだ!このさい西洋と同じカレンダーに変えちゃうってのはどうすか?そうすりゃ13月分の給料払わないですむっすよ。」
「おお名案じゃないか君ぃ!世の中なんでも西洋化だ、それにかこつけりゃ、バカな国民は文句もいえんだろう。財政問題はそれで解決ぢゃ!がっはっはっはっ」
てな具合で急遽11月頃に決定され、12月2日から施行され、庶民はあるはずの13月が突然無くなり、当てにしてた給料が1ヶ月分無くなってしまい、企業もその分の収入がなくなり社会は大混乱におちいったっとか…。
ギャグっぽいけど実話です、これ。年末までの財政すら把握出来てないアホな政府ですねー。
こんなしょうもない理由で僕らは今のカレンダーを使ってるんですよ。
はっきり言って一刻も早く、カレンダーをこの優れた天保暦に戻して欲しいものです。
そうすればバイオリズムもカレンダーとリンクし、人間のメンタルに社会のシステムも寄り添うと思うんですよ。
今日は12日だからカミさんには要注意!とかね。
新しい暦を考案してみる。
でもね、僕思うんです。この天保暦もいいカレンダーですが、一つ大きな欠点があるのです。
それは閏月です。やはり12月までの年と13月までの年があるのはシステム的にマズいと思うんですよ。
今の時代コンピュータとかあるしね。
だから僕は天保暦を更に改良した一原丸暦を勝手に考えてしまいました!
まずは閏月はやめます。
基本は太陰太陽暦ですが、毎年12月までで一年は終わりです。
その代わり12月の長さが年によって変わります。29日分長くなるとさすがに一ヶ月としては長すぎるので、
月の満ち欠けの半分、14日と15日分を交互に19年に14回、12月に足します。
すると、長い12月のあとの年は月始めが必ず新月でなくなり、ツイタチが満月の年と新月の年が来ることになり、十五夜が必ず満月で無くなってしまうのが残念ですが、まぁ一年か二年同じリズムで日にちと月の動きはリンクするので、体感的には慣れでカバー出来ると思います。
長い12月の給料計算はどうするんだ、と言われるかもしれないですけど、それも、長い閏年の12月分の給料はボーナスを多目に出すという事で問題なし。
ていうか、ボーナスを支給しない企業は当然不人気になり、どの企業もボーナスを出す事になり、サラリーマンには嬉しい社会になること間違いなしでしょう。
どうですかこの案!
僕が首相だったらすぐにでも採用するのになぁ。
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