狛江の名店「ピラサン」シーシャ酒バー PILASUN
- 2020.04.26 最終更新日
- 2020.05.25
- エッセイ 自然・オーガニック・ラスタ・DIY
みなさん、コロナによってもたらされたこのパラレルワールド、いかがお過ごしでしょうか?
僕は仕事の方もほぼ影響を受けず、子供が毎日家にいて子守が増えた以外はあまり前の生活と変わらない毎日を「運良く」おくれております。
でも一つだけ変わってしまったのが、「ピラサンへ行けなくなった」事なのです。
このご時世、長距離の電車を乗り継いで東京へ行く気分にはちょっとなれません。
ピラサンは僕の心のオアシス
この東京の狛江市にあるピラサンというオアシスなお店、一体どんなお店なのかと言いますと、一言で言えば「シーシャ・酒バー」つまり水タバコが吸えるちょっと変わったお店なのです。
でもシーシャだけではなくお酒や料理も普通に楽しめます。
ちなみに僕は行ってもシーシャはあまり吸いません。(シーシャは東京でもかなりリーズナブルで美味しいのでもちろんおススメですよ)
お酒は南国系のものを中心に結構な品揃えですし、料理に至っては下がインドカレー店なので本格インド料理はもちろんの事、インド人シェフが日本の酔っ払い向けにアレンジした無国籍料理を作ってくれます…インド式カレーうどんとか…そして普通に美味しすぎる!
あとマスターが無類のパクチー好きなのでパクチーをフードでもドリンクでもトッピングしたり出来ます。
もちろん水タバコは沢山の種類用意されてますし、お酒をのまずお茶やコーヒーだけの利用者も結構おります。
そう、お気づきの事かと思いますが、このお店、、けっこうカオスな事になってます。
でも、このカオス感がたまらんのです。
なんかもうここ日本じゃないんじゃないの?もしかして?みたいな。
なんでもOK的なユル〜いのりのマスターKさんの人柄からして、手造り感満載の味のあるお店の雰囲気からして、強烈な南国無法系(?)のオーラ出まくりのお店であります。
ここに来ると心の底からくつろげるんですわ〜。
そう、ここに来るだけで、色々な事を気にするこまごまとした日常からトリップアウト!
本来の自分に戻れる店といっても過言ではないのです。
ピラサンは唯一無二の特別なお店
僕は、タイとかラオスとかの南国的なダラ〜っした緊張感のない感じが大好きなのですが、常に波の音といい感じの音楽が流れるこのお店に行くとそんな国へ行った気分になれちゃいます。
そう、コロナで南国に行けないよ〜っとお悩みのアナタ!ここに来れば全て解決!!
ていうか、実は僕、昔ここで働いてのです。。しかも、このお店をマスターKさんと一緒にハンドメイドで作ってしまっていたりして…
そんな人間が書いてるから、身内びいきの記事なんじゃないの?と思われるかもしれませんが、僕がこのお店から旅立ってしまったのはもう10年ほど昔のお話し。
随分遠方に住んでいるのにもかかわらず一年に何回かのペースで僕はこのお店に今でも通い続けております。
それはこのお店に「特別な何か」があるからに他なりません。
手造り感満載の店内はマスターKさんが飽くなき探究心で増築改築的ブラッシュアップを続け、気がつけばオープンから12年!
すっかり老舗の風格ただよう「狛江の人気店」にパワーアップしてしまいました!
偶然にもコロナ対策されてる PILA SUN
シーシャ・バーなんていうと、ちょっと特殊なお店で身構えてしまいそうですけど、基本はなんでもありのリーズナブルな居酒屋+インド料理店なんで、シーシャ目的でない人もかなりいて初めての人でも気軽に入れます。
あとバーと言ってもカウンター席は少な目で、テーブル席中心なので広々と使えるのもいいところ。すいてれば一人で行ってもテーブル席が使えます。
さらに煙が大量に出るシーシャ対策で換気もバッチリ。
さらに凄いのが、このお店なんと入り口に扉がありません。、いつも開けっ放しとかそういうワケでなく、物理的に「扉自体ない」のです!なんてオープン過ぎるお店なのだ!
な、なんとコロナのタブーである3密を偶然にも防いでるじゃありませんか!!ピラサン!!
バーというとこの時期ちょっと…というイメージですが、じつはかなり安心して行けるお店なのです。
うーん書いてて行きたくなってしまった…車で行くか〜。
このお店、駅からすごく近いので途中下車で寄る事も全然可能なんで、ちょっと日常が退屈だなぁと思った時、小田急線ユーザーだったらぜひとも抑えておきたい穴場の名店なのです!!
シーシャ酒バー「PILA SUN」
インフォメーション
小田急線狛江駅 南口 徒歩30秒
狛江市東和泉 1-18-5
営業時間:20:00〜27:00頃(19:00〜23:00迄ならインド料理等のスパイス料理も注文OK)
定休日:毎週水曜日
おまけ : ピラサンが出来た頃のはなし
書いていたら色々思い出してしまったんで、このお店を作っていた頃のお話しを…
かなりの偶然が重なり、インドカレー店の2階が空いてるから店をやらないかという話を頂き、マスターKさんと一緒に店を作ることになりました。
ちなみにこの頃マスターKさんはまったくの飲食未経験でトラックの運転手でした。
僕は飲食店で働いてるミュージシャン志望のフリーターです。
つまりど素人2人がお店を始めたわけなのですが、始めはホントめちゃくちゃでした。
1Fのインドカレー店を作ったインド人が2Fのこの店を作りかけ途中で放棄していた状態だったのですが、看板だけが何故か完成していてそれがヒドかった。
「水タバコが吸える店」
と安っぽいポップな感じの文字で大きく書かれており、その上にはオウムの麻原彰晃のような怪しげなアラブ人がでかい水タバコを吸い、大量の煙を吐いている写真がドーンとあって、今思い出しても爆笑ものの看板なのだが、その怪しさったらハンパなかった。
写真を探してみたけど見つからなかった。撮っておけば良かったなー。
ちょうど僕らも下北沢でシーシャを知り、シーシャのお店をやりたかったので、この看板をあまり深く考えず、そのまま残して店をオープンしたのだが、
まぁ来るお客さんがヤバかった。
確か初日の方来たのが、見るからに怪しげなオジさんで、お酒を注文してしばらくすると、
「ヒッヒッヒ、ねぇ、あるんでしょ、裏メニュー…」
「なに言ってんすか、お客さん、そんなものあるわけないでしょ」
「隠さないでよ、わかってるんだから、あのいけないヤツが吸えるんでしょ…ヒッヒッヒ」
「お客さんマジでないですよ、勘弁して下さいよ」
「ヒッヒッヒ、そんな事言って隠してもわかってるんだから…ヒッヒッヒ」
などと無限ループが続いたり、
また違う日、お客さん来ないなぁ、とずーっと待ていて、ようやく来たお客さんが、
「このお店ヤバいのが手に入るって噂を聞いて来たんだけど」
などと言いだし、またかよと思いながら否定していたら、いきなり警察手帳を見せられ、
「いいか、この店は今ウワサになってるからな!もしも変な事したらすぐ来るからな!!」
などと脅され、挙句のはてにトイレ近くにピーボ君のステッカーを貼られ結局この日の来店客がその私服警官のみとか…
あと、作りかけの店だったので、備品でなにやら物凄いフカフカしたソファーが始めから沢山設置してあり、なにも考えずにそれをそのまま使っていたのだが、
まぁ深夜になると来るのは泥酔したお客さんばかりで、水のみ注文しそのまま爆睡するお客さんが頻発した。
いっけん店は席が埋まっていて繁盛しているように見えるが、みな爆睡しておりチャージを取らないから、ほぼ売り上げはゼロ!!
完全に酔っ払いどもにふかふかのベッドを提供する慈善事業である。
この時のカウンターに立っている時の心境ったら忘れられない。
さすがにこの状態になり、僕らはこのままでは絶対にこの店は流行らない事を悟り、元凶の看板とふかふかソファーを撤去する事を決め、店を大改装する事を固く決意した。
お金はないから全部手作りで行こうと決め、マスターK氏はトラック運転手の仕事が終わるとトラックに材料を載せ毎日駆けつけ二人で深夜までDIYをした。
確か年末に店を閉め、1月の頭から工事を始め、2週間くらいで終わらせて早く再開しようと決めていたのだが、二人とも完全にDIYの面白さにハマってしまい、2月になっても工事は続いていた。
家賃や売り上げの事を考えれば、早く再開した方が良いのはわかっていたのだが、もはや完全に「すごい作品」を作る事が優先事項になってしまっていた。
何しろ工事をしながらおしゃべりしていると凄いアイデアがどんどん生み出されるのだ!
「店の中に南の島の小屋みたいなのを作ったらよくない?」「それヤバいね〜、どうせだったら、屋根もラスタな感じでかやぶき屋根だったらもっとヤバくない?」「ヤバいねヤバいねそれヤバすぎるね〜」
などと言ってヤフオクで長野の農家から大量の藁を購入してかやぶき屋根付きの小屋を作ったり…
「小屋できたけど、なんか木材の質感が安っぽくない?」「たしかになんか違うな〜」「そうだ友達に伝統工芸の大工がいるから聞いてみるのが良くなくない?」
そして聞いた結果、竹細工で加工する技法を教えてもらい、マスターK氏の仕事用トラックで竹林に行き竹を大量に取ってきて、友人の親方に指導してもらい、日がな一日竹を割って細工しまくったり…
こんな事をやってるから一向に終わらない…。
それにしてもマスターKさんと深夜、大工仕事をしながら色々な事を語り明かしたけど、あれはホント楽しかった。
あんまり楽しかった物だからこのままずーっと一生工事終わらなくていいんじゃないかな、と思うほどだった。
そして三ヶ月近く経ってなんとか内装は完成したものの、外回りの入り口付近はまだ完成していなかった。
さすがにこれ以上工事し続けたら本気でヤバくなってきたので、途中だったが、店をとうとう開ける事にした。
工事中に色々な事をずーっと話していたので、店のテーマだとか、メニューだとか、一番重要な店の名前だとか全部自然に決まっていた。
もちろん椅子は「絶対眠れない」手作りの固い木の椅子にした。(これはさすがにお尻が痛くなると不評だったので、マスターK氏が改良を続け、今ではとても座りやすい椅子です。)
そして来たお客さんはみんな店の内装を気にいってくれて、どんどんリピーターが増えていった。
今とはだいぶ違うオープン当初の入り口付近。確かお店を営業しながらお客が来ていない時作った。。もちろんお客さんが来たらそのまま一緒に上に登って行き接客する。
メニューを悩みながら手書きする、マスターK氏。
このカウンターも今とはだいぶ違う。
かやぶき屋根のカウンター。が暗闇に浮かぶ。オープン当初は暗い方が落ち着くと考え最小限の光量にしたが、さすがにコレは暗過ぎる!!のちにお客さんにもつっこまれライトを少しづつ増やし徐々に明るいお店になっていった。
以上、オープン当初のピラサンの様子でした。
ピラサン、ほんとうにいいお店なんで是非とも遊びに行ってみて下さい。
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