鬼嫁日記 その2 コロナとダーツ編

鬼嫁日記 その2 コロナとダーツ編

さてさてやって来ました。鬼嫁日記のコーナーでございます。

それにしてもコロナで皆様大変ですね。

でも家でチマチマ作業するのが大好きで犬の散歩が唯一の息抜きの僕にはハッキリ言ってほぼ被害がありません。
(それってなんかけっこう申し訳ない気持ちがするのは僕だけ…?ああ日本人の悲しい性…)

でも嫁は大被害です。だって夜な夜なプレイしてるダーツに行けなくなってしまいましたからね。

まったくウチの嫁ときたらホントに不良でダーツ大好きダーツフリーク野郎なのです。
僕が家にいるといつの間にやらダーツに行ってしまい帰って来るのはいつも夜遅く…。

プロになるとか豪語して、僕に仕事の有給取らせて、地方遠征とか言って、泊りがけでダーツ大会に行ってしまった事もあった。

もちろんその間僕は完全に主夫でもって飯つくって子供の世話と犬の面倒を見る日々…。

僕︙仕事→家事・子守→何でも屋やら畑仕事→楽曲制作(全然出来ない!)↩

嫁︙家事・子守→仕事→ダーツ(毎日たくさん!)↩

のループが繰り返されるタマオ家。

オカシイだろこれは!!このバランス配分は!!
俺にもっと時間をくれー!!

だから仕事中にブログやったり作曲して上司に目をつけられてしまうのだ!!
嫁が不良だから亭主も不良社員になってしまうのだ!!

DTMをやらせろ〜、もっと曲を作らせてくれー!(魂の叫び)

ハァハァ、ちょっとスッキリしました。

まぁね、僕だってやるときはやるんです。
嫁におんなじ事言ってやったんですよ。

そしたら
「あんた自分の稼ぎがどれだけヤバいかわかってて物言ってんの…?💢今度同じ事言ったらそのピコピコパソコン捨てるから」

の一言で撃沈…(ToT)

おまけにダーツしないと情緒不安定+何も出来なくなるという特異体質で、
ダーツに行けなくなると寝込んでしまって、しまいには凄まじいほど機嫌が悪くなり、家庭崩壊まっしぐら。

嫁にダーツ行かせて僕が頑張れば全て平和に丸く収まるのです。
あぁ俺ってなんてけなげ…。男は忍耐。グスン…。


で、この生活がコロナで一変しました。

ダーツに行けなった嫁はどうなってしまったのでしょうか?

正直、僕がこのコロナ騒動で一番危惧していた点は、「ダーツ行けないストレス」により嫁がさらに凶暴化してスーパー鬼嫁になる事でした…。

でも、一年前の僕のある行動によってそれは回避されたのです…!

そう、実は一年くらい前、嫁の誕生日に僕は家庭用ダーツボードをプレゼントしていたのです。

さぞかしダーツが好きだから喜ぶかと思いけや、

「あ?なにコレ?いらね。」

「なんで?家でダーツが出来るんだよ」

「なんで、アタシを家に縛り付けようとすんの?家に居たくないから外行くのに、なんでアンタの顔見ながらダーツやんなきゃなんないわけ」

「せっかくプレゼントしたのに、酷すぎるだろそれ!!」

「いらんもんはいらん、メルカリで売れ、そして金よこせ」

ダーツボードは袋から出される事もなく、そのまま押入れのこやしに…

ーーーーーー

そして、一ヶ月前。
このコロナのおかげで、夜遊び出来なくなった嫁は家にいた。

ある晩
「おい、風呂入って来るから、そのあいだそこにあるボードを壁に付けとけ」

と言って押入れを指差す。

「え?あそこになんかあったっけ…?」(すでに忘れている)
「あっあれか〜、やっと使ってくれるのかぁ…って取り付けぐらい自分でやれよ!!」

「アンタが勝手にプレゼントしたんだから使えるようにするのがアンタの仕事だろ。いいから早く使えるようにしろ」

「なんだその無茶苦茶な理屈…。しょうがないなぁ…」

まぁDIY好きだからそういう作業は好きなんだけどね。
これが結構本格的なボードなので壁に4ヶ所ぐらい穴をあけてネジで固定しなければいけない。

「穴、思いっきり壁にあくけどホントにいいのか?マズくないか?」

「持ち家だから関係ないだろ、いちいち聞かないで自分で判断せーよこの低脳!いいから早く付けて(怒)!!!」

「(…完全に禁断症状が出かかってるな…急がねば…)」

そうして、20分後。

風呂から上がった嫁は早速ダーツをやり始めた。

これが、結構うまい。まぁ何年も毎晩のようにやってるんだから当たり前だが…。
子供たちも珍しいので楽しそうに見守っている。

嫁が夢中になってる内に僕は貴重なパソコン作曲タイム。

しばらくたつと、
「おい、タマオさん!ツマミが足りない。コンビニ行ってこい」

「なんでだよ!自分のツマミくらい自分で買いに行けよ。(俺の神聖なる作曲タイムを邪魔しないでくれ〜)」

「飲んでるのにクルマ運転させる気なの?早く行ってよ!」

「なんでいつの間に飲んでるんだよ!!」

やれやれ、やっぱり不良嫁だ。

しかしまぁ鼻歌唄いながらいつまでもダーツやってる嫁を見ていると、こうして家に居てくれるだけでなんとなく有り難く感じてしまい、ついつい甘やかしてしまう。


次の日、嫁は仕事に行き、僕は子守。

何気なくダーツボードを見てたら投げたくなってしまった。

ちょっと投げてみるがなかなか難しい。

「あいつよくあんな簡単そうにど真ん中ばっか当てるなぁ」

「お父ちゃん、僕たちもやらしてやらして」
と長男と次女が来る。

「遊ぶのはイカンぞ、お母さんの大事だから。ダーツの矢の先が曲がったりしたら大変。この矢すごい高いらしいぞ」

「知らないの、この先っちょ交換出来るんだよ。お母さん先っちょいっぱいもってるんだよ」

「ふーんそうなんだ。まぁ今日は天気悪くて外で遊べないしテレビゲームばかり良くないしな…。じゃ遊んでいいよ」

そのうち長女も交え、楽しそうにダーツではしゃぐ子供たち。

(いやぁ、嫁も機嫌よく家に居てくれるようになったし、このボード買ってよかったな〜)

しかしまだ6才の子もいるので的から外れ壁にブツけたりしている。

「まっ持ち家だから、いいか」

昼過ぎ、仕事から帰ってくる嫁と入れ違えるように便利屋の仕事に出かける。

自分の都合よい時間で好きに仕事入れるのが便利屋のいいところだ。

仕事先でやたら携帯が鳴る。

見ると嫁。お客さんと一緒にいるからメールにしてとメールする。

それでもしつこく着信音が。

さすがにお客さんも気付き、
「あの、さっきから鳴ってばっかしですし、どうぞ出て下さい」

ーーーーー

「もしもし、なんだよさっきから?メールしたろ」

「ああ💢なに勝手に子供にダーツ使わせてんの?あんた人の大事なものとかわからないの💢矢がボロボロなんですけど💢」

「あ、、いや、、子供たちも運動不足だし…」

「ああ💢そしたら人の一番大事なもの使わせていいんだ」

「いや、、それはたしかに悪かったけど、、でも使っちゃいけないなんて、聞いてな」

「それになにこれ?壁が傷ついてるんだけど💢どう責任とってくれるの💢」

「え…?持ち家だからいいって、その、キミが、、、」

「ああん?💢💢とにかくあんたも同じ目にあわせてあげるよ。一番大事なピコピコパソコン捨ててやるよ!」

マズい!あのパソコンだけはマズい!!
この1ヶ月間、人生初の大作曲を創り続けているのだ!
あともう少して完成。というところまで来た。

時には朝3時に起き睡眠時間を削り(夜は9時に寝てたけど)
仕事中も仮眠時間を削り仮眠室で創り続け…(そのあと仕事中居眠りしてたけど)
子守中も寸暇をぬってピコピコ創り続け…(家事をかなりサボってたけど…)

努力を重ね嫁の罵りに耐え続けようやくここまで辿り着いたのだ。
このタイミングは非常にマズい。

そうか…僕の度重なる家事サボタージュが彼女のハートの火を知らず知らずの内に業火にしてしまったのか!?
そういえばあのMacBookを目の敵にしていたな…
バックアップとっときゃ良かった…これはマズい…マズいぞぉぉ!

猛スピードで仕事を終わらせ、家に帰ると僕の大事なMacBookはなななななんと、、、
家の横の林の茂みに窓から放り投げられていた。。。(ToT)

急いでパソコンを回収しようと、フェンスをよじ登り茂みの中に分け入ると、窓がガラッと開き嫁の顔が…

しかもニタニタ笑いながら、

「完全破壊♫完全破壊♪それそれそれそれ♫」

と訳のわからない歌を唄いながら、パソコン目がけてコップでもって水をかけてくる。

「やめろー、止めてくれー、俺が悪かった!!このパソコンだけはやめてくれ〜」

身を呈してMacBookを守り、濡れネズミになりながらパソコンを抱えフェンスを登る。

「お父ちゃんずぶ濡れの巻〜!」と長男。

「ギャハハハ!…」嫁も子供達も4人全員揃って腹をかかえて大爆笑してやがる。

しかも何故かつられて一緒に笑ってしまっている俺。。

恐ろしいほど、なさけなさすぎる旦那っぷりである。

「タイの水かけ祭りかよ!!よくもやったなー!」
笑いながら言っても完全に父親の威厳ゼロ。

パソコンは壊れてなかったから良かったものの、、、なんてとんでもない家族を持ってしまったのでしょう!!(ToT)

もちろんそれから毎晩、嫁は家の中で独りダーツ大会である。
夜な夜なダーツの「トン」という音が夢の中で鳴り響く…

早くコロナ終わってくれ〜。

今日の鬼嫁

(便利屋から帰ってきて玄関を開けると居間からゲーム音。俺が汗水垂らして働いてるあいだ嫁は呑気にぷよぷよで対戦ですか!)

「ただいま〜、あぁ疲れた〜。今日はクソ暑かったから、水1リットルぐらい飲んじゃったよ!ああ疲れた疲れた!!」

嫁「水もったいな」
長女「水がかわいそ」

「なんだとーお前ら〜。そんな事いうなら俺はボイコットするぞー」

嫁「家出するの?」

「おう家出してやる」

嫁「じゃあ離婚届け書いてから出てってね。母子手当貰うのに必要だからね」

「・・・・・・。」

嫁「あなたの存在意義〜♪それは金を持ってくる事〜♪あなたの価値〜♫それは無価値〜っていうかむしろマイナス〜♪」(鼻から牛乳のメロディー)

「やめろ〜へんな歌作るな〜!!!」