コンピューターの起源を考えていたらチェスロボット「タタール」と出会った

コンピューターの起源を考えていたらチェスロボット「タタール」と出会った

最近、暖かくなり雑草がどんどん伸びてくる。そうなってくると副業のなんでも屋が忙しくなる。

依頼が殺到しこのところ来る日も来る日も草をむしる日々が続いている。
そして日がな一日草をむしり続けながら、僕はこんなことを考えている。。。
ちょっと僕の頭の中を覗いてみよう。

「何でも大元から考えられるようにならなくちゃ面白くない!!」

例えばコンピューター、コンピューターのロジックの大元をたどれば紀元前に発明された「そろばん」にたどり着く、その前は石を置いて行っていた「計算」だろう。石の置く場所がメモリー、そしてそれをある一定の法則…つまり簡単なロジックに従って動かすだけで暗算では出来ない複雑な計算ができる。

原始時代、指の数では足りない計算をする時、人は石を使っていたという。
これが発展してそろばんとなり、
この原理を2000年かけ発展させていくと、ノイマン型コンピューターの原理へとたどり着く。
僕らがいつも触れているスマホやら自動車の電装品やら世の中に溢れているデジタル製品は情報を在るか無いか…つまり0か1かの2値で記憶しそれをごくシンプルなロジックに従って動かし答えを出す…という形で動いている。

これが簡単にいえばノイマン型コンピューターの動作原理で、僕らの身の回りにあるデジタル製品はみなこの動作原理に従って動いているわけだ。
検索したり買い物したりリアルなゲームが出来るコンピューターがそんな簡単な仕組みで動くわけない!!
と、一見思えるものなのだが、
そう確かに一回の処理では一つの数字を足すか引くかしか出来ないコンピューターなのだが、
物凄く単純なこの作業を一秒間に何十億回という光のような凄いスピードで処理することによって、ユーチューブを見たり映画のようなリアルな3D空間を冒険したり僕のボロぐるまのギアを突然変え首かっくんとなったりしてるわけだ。

従って僕はこういう動作原理で動いているということをなんとなく理解してこの複雑怪奇なデジタル道具たちを使っている。理解がなかったらとてもじゃないが気持ち悪くて使えない。

ブログをわざわざサーバーを借りて自分でワードプレスで作って運用しているのも、自分が1から作って把握出来ないと気持ち悪くて使えないという所から来てるのかもしれない。
FacebookやらTwitterやらインスタやらどうにも馴染めないのもそういう性分が原因だろう。

思い返せば初めてファミコンを手に入れた小学生の頃も同じで、どうしてこんな小さなロムカセットに(今思えば大きいけど)スーパーマリオの広大な世界が入ってるか不思議で不思議でしょうがなかった。
カセットを分解してもわからなくて、バザーのとき500円で手に入れたファミリーベーシックでBasicのプログラムを覚えて少〜しわかったような気がしたっけ。

やはり根っこは子供の頃から変わらないらしい。ていうか、子供の頃の8bitコンピューターは良かった…シンプルで…0~255までしか扱えなくて…なんとか僕の頭でも理解できるような気がした。。。今のはようわからん。

こんな事を考えているうちにコンピューターの歴史が気になったのでスマホで検索してみたらこんな動画を見つけた。

自動でチェスを打つ人形「タタール」(トルコ人)

まぁこれは正確に言えばコンピューターではなくニセピュータなのだが、なんと発明されたのが今から約250年前!1769年というから驚き。

発明したのはオーストリアに住む、ヴォルフガング・フォン・ケンペレンで、時の女王マリア・テレジアを喜ばせるために作られた。各地で巡業公開され大人気に。ナポレオンも見たそうだ。

機械仕掛けの人形のクセに腕前はめっぽう強く負け知らずで当時のチェス名人を次々に負かしたとか。

一体どういう原理で動いているのかと言えば実はタネも仕掛けもあって中に人がはいっているのだ。しかも名人が入っていた。

これは一種のマジックで、機械を動かす前に人は入ってませんよ〜と機械内部を開けるのだが、錯覚をうまく利用し機械の後方に人が隠れられるスペースが用意してあった。

そして扉が閉まると隠れていた名人が出てきて機械を操作しチェスを指したというわけだ。

そして驚くべき事に1859年までなんと90年間、関係者以外、このトリックはバレる事がなかった。

ナポレオンも実は人が操ってるんじゃないかと疑ったそうだが見破る事は出来なかったそうだ。

最終的にトリックが明かされた理由は中に入っていたオペレーターが自分から公表したとのこと。100年もみんなを騙し続けるのが申し訳なくなったのだろう…きっと。

結局見る側からは一世紀近く見破れなかったというなんとも壮大な世紀のトリックだ。

もしもの話だが、このオペレーターがもし公表してなかったら、今でも「タタール」が自動で考え自ら動く「世界初のコンピューター」になっていたかもしれなかったりして…

かのエドガー・アラン・ポーもこの「タタール」を題材にして小説を書いている。
なんかこの奇妙な機械にはイマジネーションをくすぐるなにかがあるようだ。

しかしこの150年後、全てアナログ制御でチェスを指す正真正銘の「自動マシーン」が発明されていた。
このマシーンを世界初のコンピューターとみなしている人もいるくらいのスゴイ機械だ。

それが1912年にスペインのレオナルド・トーレス・ケベードが発明した、「エル・アヘドレシスタ」だ。

これは、世界初のコンピューターと言ってもいい代物で使う駒は3つながら、アルゴリズムに沿って自動で動き、人間がチェスの駒を置くと自動で打ち返してくれ人間が操作する必要はまったくなかった。
全て機械仕掛けのアナログで制御され、これがコンピューターかどうかは疑問付がつく所だがコンピューターゲームとしてなら文句なく世界初だろう。

真空管など使わずに一体どうやって計算して動作しているのか気になり、構造を調べようと色々ググる(正確にいえばダックダックる)が詳しく説明している日本語サイトはなく、僕にはどういう原理で動いてるのか全くわからなかった。

そんな事をしている内に日が傾いていることに気づく僕。

「あ〜今日も全然終わらなかった…まあ…明日続きをやるか…」

草むしりは当分終わりそうもない。

つづく

現実世界の停滞とコンピューターの進歩の転換点とメタバースについて考える