ウェブ30周年。Googleとティム・バーナーズ =リーと次世代インターネット

ウェブ30周年。Googleとティム・バーナーズ =リーと次世代インターネット

グーグルのロゴ

が8ビットな感じになってるのでなんとなくクリックしてみたら、今日はwwwが生まれて30周年だそうな。
で、ちょっと興味を感じて色々リンクを辿っていたらこんな記事に出くわした。

「Googleは、Disruptee(破壊される側)になったのか?IoT広告の可能性と罠」

無断転載禁止なので、僕なりに要約していくと、
今は栄華を誇っている、グーグルやフェイスブックだが、次の技術革新つまり家電や車がインターネットに接続される時代になると、今のような優位性を維持出来なくなるのだ。という内容。

ティム・バーナーズ =リーの憂慮と行動

アメリカのGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)が世界の経済や情報を牛耳ってると言っても今や過言ではないだろう。
この状況を他の国々、特にヨーロッパやアジアの国々や企業が黙って見ているわけがない。

さらにこの状況を非常に憂慮している人物がいる。

以前紹介した、www、ワールドワイドウェブ、つまり今のネット環境のもとを発明したティム・バーナーズ =リーである。
彼もウェブの状況を憂慮している。
www30周年のイベントでも彼は語った。「気候変動やがんの治癒といった大きな問題が存在するにもかかわらず、それを解決するために必要な情報がいろいろな人の脳内に散らばっている、という状況を想像してみてほしい。それらすべての人々をつなぐことがウェブの目標だった」
そんな夢を持ち、バーナーズ =リーが無料のインフラとしてウェブを解放して30年が経った。
その結果、ウェブは「悪用者たちに乗っ取られ」フェイクニュースが蔓延し、以前より人々は疑心暗鬼にさいなまされ、憎しみあうようになり、ウェブを使い収集された個人情報は金儲けの道具となり、それを利用する人達に高値で売り買いされる。ウェブの世界はまるで拝金主義者達の夢と欲にまみれた戦場になってしまったようだ。

個人的にもウェブが生まれた頃ってなんか夢というかピュアで熱い情熱を感じるページが多かった。
でも最近は生活の知恵みたいな実用的なページや、それって結局金儲けしたいのね…的なページばかりなように感じる。

そしてバーナーズ =リーは憂慮するだけではなく、実際に行動を起こしている。
「Contract for the Web」プロジェクトと
「Solid」と呼ばれる新しいプラットフォームの開発である。
Contract for the Webプロジェクトは、共通の原則を確立することに同意する政府、テクノロジー企業、個々のユーザーを連携させて、オンライン世界を管理する。
Solidは個人情報をユーザーが自分で完全に管理できる仕組みを備えたプラットフォームだ。

ウェブ広告と個人情報

ウェブページを見てると広告が表示されるが、あれはグーグル等の広告配信する企業がユーザーの今まで見てきたページの履歴(クッキー)を使って、そのユーザーが関心がありそうな広告をチョイスして見せている。
だから最近家を探している人にはマンションの広告が、僕には最近電子楽器の広告ばかり入って来る。
こういう仕組みが30年の間、ウェブの世界では構築されていった。

今ではウェブを使うっていう事は自分の個人情報(少なくとも端末の情報と趣味嗜好)を色々な企業や人に勝手に覗かれて、金儲けに利用されているって事と同義だ。
だからグーグルやヤフー等ウェブの世界では、あんなに高性能なマップやいくらでも保存出来る画像保存のクラウドサービスやら高機能メールサービスなんかを気前よく無料で使わせているが、よくよく考えるとあれは無料ではないのだ。
個人情報を渡しているお礼、もしくはさらなる個人情報収集の為、と考えるのが正解だ。

あらゆるマーケティングに使える個人情報というものは高値で売り買いされる程価値のあるものなのに、それを提供しているユーザーには便利な機能を提供しているものの、
直接的に還元されないのは、なんだかおかしな話しな様に思えてきた。

それにしてもやはりタダより高いものはない。便利さの裏には罠が隠れているのだ。

とにかく今の時代、ウェブをシークレットモードで使わない限り、色々な個人情報を覗かれ、その情報が売り買いされている事を僕らはもっと知った方が良いと思う。
(そして、あんな読む気も起きない長ったらしい利用規約でなくて、もっとわかりやすくその事を明示すべきだ。)

IoT化で変わる広告

そして、これから次のIoTの時代になると、この仕組みが根底から崩れる。

今までのやり方でウェブ広告を出そうとすると「非常にまずい事」が起こるのだ。

例えば僕の車がIoT化しインターネットに接続されたとしよう。
そして君をドライブに誘ったとしよう。
君が車に乗る前日、僕は欲求不満で風俗店をたくさん検索していた。
そして君が車に乗ってナビが起動した途端、
「ポーン♪タマオさん、本日の行き先付近にあるオススメのお店をご紹介します。このお店のナンバーワン嬢、アリサちゃんの悩殺セクシー動画も合わせてどうぞ」
なんていうアナウンスが。
君が男だったら笑い話しにもなるが、デートに誘った女の子だったらもう大変だ。
君は怒って車を降り、僕は激怒して広告の配信元にクレームの電話を入れるだろう。なんならそのまま車を走らせ本社まで怒鳴りこむかもしれない。

ここまで噛み砕いた説明は不要な気が…(笑)

そう、 不特定多数の人が触れるIoT機器には今までのスマホやパソコン向けのやり方では広告が流せないのだ。
ていうか車や家電に広告配信は不要だと思うが…

このIoT化の技術革新と流れと、バーナーズ =リーのウェブへの憂慮の為の研究、それからアメリカ系IT企業を引きずり下ろしたい各国とその企業群の思惑が見事に重なり、
IoT機器向け次世代インターネットはどうやらかなり個人情報保護に重点が置かれたインターネットの仕組みに移行しそうな流れなのだ。
これは世界中で研究されてるが特にヨーロッパやイスラエルの企業が多く開発しているそうだ。

自分で個人情報を完全にコントロール出来るようになれば、上に書いたような車載ナビに広告を配信するのを承諾すると、その代わりに報酬が貰えるようなシステムになるかもしれない。
そして自分の個人情報を渡す先の企業を決めたり広告の種類も細かくコントロールできるようになるだろう。

そうなってくると代理店のようなグーグルやフェイスブックのような企業は今みたいに圧倒的な優位性は無くなるのかもしれない。

そして個人情報の漏洩とか、女房が勝手に僕のパソコンを触って、変な広告を見ないかとビクビクする生活から解放されるのだ。

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