夢の家 パート2

夢の家 パート2

さてさて、しばらく記事の更新が滞っておりました。
その間、新しい家を見つけ、越したりなんだりしてて、すっかり忙しくしておりました。

嫁の実家を間借りし、この2年間、家族5人が一部屋に住むという難民キャンプのような生活を送っていたわけで、平屋の小さな家ですが新しい家は大変快適です!

今度の家は築10年で、3DKという間取りです。家族5人に対して、居間を含めて3部屋…。どう考えても部屋が足りてない。
当然、夢にまで見ていた自分の部屋!!はない。

そんな僕に与えられたスペースは半畳にも満たないクローゼットだけなのでした。

嫁(鬼)「あんたここ自由に使っていいよ。そのかわりあんたのゴミみたいな汚い荷物、全部ここに入れて。ここ以外にあんたのものがあったら全部処分するから。」

一家の大黒柱たる家長がこんな屈辱的な事言われていいんでしょうか?
いいんです。何故なら子供が生まれて以来自分のスペースなんかなく、大事なギターやレコードや本なんかは長い間倉庫でホコリを被っていたのですから、、、
だから一にも二にも僕は言いました。
「ホント!使ってもいいの?」

しかしこの60センチ×150センチの空間に僕の血や汗や夢の染み込んだ数々の品を詰め込めるのだろうか?
それは青春時代を過ごした高円寺の、あのアパートにある、あの部屋に散乱していた荷物達をこのスペースに圧縮するという事に他ならないのです。

とりあえず入れてみたらこの状態。これでも大分減らして整理した後です。

うーん…僕の荷物全てをここに入れるのは不可能だな…。
なのであまり使わなそうな荷物は極秘プロジェクトとして屋根裏にそっと運び込んだ。
嫁には季節家電だけ少し運んだ事にしてあるが、デカいキーボードやらレコードやら沢山入れた。押入れの天井を外して上にあげるのは骨が折れるがなんとか頑張る。

地震があったら下の部屋に崩れ落ちてこないか心配だが、新しい家だから大丈夫だろう。

クローゼットに入れるのは、、

ギター5本、三線、名作レコード、CD、エフェクターやパソコン、レコーディングやmidi関係の機材

そして一番大事なステレオセット。
これは以前働いていたリサイクルショップで手に入れた。僕が客から格安で買い取ったものだ。
40年物だがホント音がいい。だがデカイ。

越してきた初日、リビングの中央に据えた途端、家族から総スカンを喰ったシロモノである。

あと、自分の本とか写真なんかの私物。

これらを適当においていったら、すぐにクローゼットはいっぱいになってしまった。

うーん、、ステレオセットが使えないのは痛い。
あと、ギターとか、シンセとかもすぐにアクセス出来るようにし、作曲活動にいそしみたい。

うむ、収納力を増やすためには棚が必要だ。しかしピッタリのサイズのものはどうしても割高である。
薄給の身には棚ごときに大金は出したくない。
よーし、どうせ買うんだったら作ってしまえ。

いわゆるDIYというやつです。
これがネットで調べてみると面白い。
なんと自分の家をホームセンターで売ってる資材で安く作ってしまう方法まで載っている。
よし部屋が足りないなら、そのうち自分で作ろうとすっかりハマってしまい、仕事場でも架空の家の図面を書き出す始末である。

何日かたった後、ようやく棚を作ろうとしてた事を思い出し、設計図を書き、ホームセンターに行ってみる。

いわゆる2×4材というのが、安くて規格が揃っていて使い勝手がいいのだ。
だって180センチ×19センチ×3センチの板が250円くらいで売ってるんですよ!

でこれを何枚か買ってカットしてネジ留めすれば簡単に俺様仕様のカスタムな棚が出来てしまう。木の無垢な感じも北欧家具のようでオシャレですらある。

ところがである。ホームセンターに行ってみると、国産の杉材がかなり安く売っている。
400センチ×10センチ×2センチで200円くらいである。
お、こっちの方が安い、しかも輸入物より地産地消の国産だ。よしこれでいこう。

が規格が違うので設計図が使えない、だったらここで作り直してしまえーっていうことで、4才の子連れ状態で木材コーナーで座り込み、子供をあやしながら設計図を書き直す。

ここまで来ると完全に設計図を書くのが楽しいだけの変人である。

必要な木材を買い、工作室へ。ここは色々工具が揃っていて自由に使えるDIY二ストには夢の空間である。先日も自分で表札をここで作ったのだ。

が、ここでまさかというか、ある意味予想通りの展開。
子供が飽きてギャーギャーぐずり出したのである。
しかも周りには危険な電動工具やらノコギリがいっぱい。

普通の良識あるパパさんだったらここで工作を諦めてしまうであろう。
だが百戦錬磨の自分にとってはこんな状況はものの数ではない、なにより俺には夢がある。
早く最高の音楽を家で聴きたいし作りたい!

「ねぇココちゃん、お父さん時間がないから手伝ってくれると嬉しいな〜」
と言っておもむろにホウキを手に取る。

彼女は無類のお手伝い好きで、人に指図されるのを極度に嫌がる。
それを全て計算し尽くしての一言である。

「ココがホウキやる!おとーちゃん手伝っちゃイヤ!はやく木ぃきって!」

木を切るそばから、切りカスを次々と掃除していく高性能マシーンと彼女は化した。

お陰で作業がはかどり、板を設計図通りの長さに切り分け、車に載せ無事帰宅。

次の日から空き時間にヤスリがけなどをして、休みの日に組んでみた。

こんな感じで出来た。

総工費1200円である。

どうですかこれ、

普段クローゼットが閉まっている時はなにもないシンプルな空間の居間ですが、クローゼットを開けた途端!
まあ、なんて事でしょう。
ディープ高円寺安アパート感が広がる夢世界に大変身!
(劇的ビフォーアフターのナレーション風)
これでご主人も家族に迷惑をかけずに夜な夜なディープな音楽に酔いしれます。
奥様もご主人のゴミのような荷物から解放され大喜び。

で早速、10年ぶりの音楽ライフが僕の中で復活したわけであります。

ここまでの道のりはホント長かった……。

最後までお付き合いありがとうございます!